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2013年に待機児童ゼロ、横浜市が公表する「保留児童」とは? 「待機児童」との違いは?

待機児童問題が叫ばれる中、2013年4月に「待機児童ゼロ」を達成した横浜市が人数を公表している「保留児童」が注目されています。「待機児童」と何が違うのでしょうか。

横浜市の「保留児童」「待機児童」の概念図(市の説明をもとに作成)
横浜市の「保留児童」「待機児童」の概念図(市の説明をもとに作成)

「保育園落ちた」との声がネット上にあふれるなど、待機児童問題が解消されない中、2013年4月に「待機児童ゼロ」を達成した横浜市が人数を公表している「保留児童」が注目されています。ネット上では「保留児童=待機児童では?」「待機児童ゼロと言いながら保留児童は多い」など批判の声がありますが、そもそも保留児童と待機児童は何が違うのでしょうか。横浜市と厚生労働省に聞きました。

保育の現状を分かりやすく伝える

 厚労省が市区町村別の人数を公表しているのは「待機児童」で、都市部の自治体を中心に、「待機児童ゼロ」を目標に掲げた対策が行われています。一方、「保留児童」は、横浜市など一部の自治体のみが公表しており、どの自治体でも待機児童の数を上回っています。

 横浜市こども青少年局保育対策課の担当者に聞きました。

Q.「保留児童」と「待機児童」の違いは。

担当者「横浜市では現在、認可保育所に入所申し込みをしたものの、定員超過などで入れなかった子どもの数を『保留児童』として公表しています。

その『保留児童』から、横浜保育室(横浜市が独自に設けた基準を満たした認可外保育所)の利用者▽育児休業中で復職の意思を確認できない人の子ども▽求職活動を休止している人の子ども▽在宅で子どもを世話しながら求職活動をしている人の子ども▽特定保育所のみの申込者――の、いずれかの条件にあてはまる人を除いたものを『待機児童』として、人数を公表しています。

2018年4月1日時点の保留児童は3080人(前年同期比179人減)、待機児童は63人(同61人増)でした」

Q.なぜ「待機児童」「保留児童」と2段階に分けて統計を取っているのですか。

担当者「待機児童数は、厚生労働省の『待機児童数調査要領』に基づいて集計しています。厚労省への報告義務があるのは待機児童数だけですが、横浜市では、保育の現状を市民に分かりやすくお伝えするため、待機児童数だけでなく、認可保育所を利用できなかった人全体を保留児童数として公表しています」

Q.「保留児童数に言い換えていて何も解決していない」という内容の意見も散見されます。

担当者「待機児童数は、あくまで厚生労働省の定義に基づき集計しているものです。待機児童であろうと保留児童であろうと、本市の対応に変わりはありません。保留児童の中には、横浜保育室や一時保育などの保育サービスを利用されていたり、育児休業中で復職の意思が確認できないなど、さまざまな人がおられます。

既存資源の有効活用や保育所の整備を進めていくとともに、保留児童と待機児童を区別することなく、保育・教育コンシェルジュ(保育サービス等に関する専門相談員)を中心に保護者のニーズを丁寧にお伺いし、その人に寄り添った対応をすることが最も大切だと考えています。一人でも多くの人に保育サービスをご利用いただくことを目指しています」

Q.「第20希望」近くまで申し込んだにもかかわらず、すべて落選したという話がSNS上に寄せられています。

担当者「あらゆる分野における女性の社会進出に伴い、保育所などの利用を希望する人は年々増加しています。引き続き地域の状況をより詳細に分析し、保育ニーズの高い地域を中心に対策を進めます」

Q.2019年度向けの保育所の選考状況は。

担当者「1次選考の利用調整の結果、2019年4月に向けた保育所などの利用新規申請状況は、利用申請者数が1万8481人(前年比348人増)、うち内定者数が1万3828人(前年比112人増)となっています。現在、2次選考の状況を集計中です」

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