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「カビで容器膨張」再現→SNSに拡散した結果が笑えないワケ

SNSによる拡散で「名誉毀損」にも

 2のケースについて牧野さんは「悪質なカビを混入したかのようにSNS上で拡散すれば、もちろん問題になります」と指摘、「トラブルに便乗して拡散しただけ」でも営業妨害や名誉棄損にあたるといいます。民事上は、民法709条の不法行為により「製品の売り上げが減少したり、株価下落により発生した損害への賠償責任を負うでしょう」。

 さらに、刑事責任については、刑法230条1項の名誉棄損罪が定める「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した」ケースに該当し、消費者は「3年以下の懲役若しくは禁錮または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります」。

 この消費者が「不当に株価を操縦しようとすれば、金融商品取引法違反で相場操縦罪に該当する可能性もあり、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又は併科(同法第197条第1項第5号)に処せられます」。

 3のケースはどうでしょうか。消費者が「人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした」場合は、誣告(ぶこく)罪と見なされ、「3月以上10年以下の懲役に処せられる可能性があります」(刑法第172条)。これにより対象企業やその役員・社員が損害を被れば、「民事上の損害賠償責任(民法709条の不法行為責任)を負います」とのことです。

 単なる“悪ふざけ”の対価は意外と大きいようですね。

(オトナンサー編集部)

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牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。

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