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「カビで容器膨張」を再現→SNSに拡散した結果が笑えないワケ

大塚製薬が、カビの混入を理由に「カロリーメイトゼリー」の自主回収を発表しました。消費者には代金分の商品券を送るとのこと。そこで今回は、こうしたトラブルに便乗して良からぬ行為に走ることの問題を探ります。

いたずらや悪ふざけも度が過ぎてしまうと…

 大塚製薬は先日、「カロリーメイトゼリー」の一部にカビが混入していたとして4種類約270万個を自主回収すると発表しました。

 販売店から「未開封のゼリー飲料の容器が膨張している」との問い合わせがあり、発覚したとのこと。これを受けて同社は、混入製品を着払いで送った消費者に代金分の商品券を送る対策を発表しています。

 オトナンサー編集部では、今後予想されるトラブルを3つのケースに分類、それぞれに関連する刑事上・民事上の責任について、弁護士の牧野和夫さんに取材しました。

不当に商品券を得たら詐欺罪

 今回、編集部が想定したトラブルは以下の3つです。いずれも、悪意を持った消費者が虚偽の事実をねつ造してトラブルに便乗したようなケースです。

1.不当に商品券を得たケース
2.自宅で膨張を再現し、SNS上で拡散したケース
3.自宅で膨張を再現し、警察に通報したケース

 牧野さんによると、1~3のいずれの行為も民事上・刑事上の責任が発生するといいます。個別のケースは以下の通りです。

 牧野さんは1のケースについて、この消費者は「詐術を用いて企業から不当に商品券を得ているため、民事上の詐欺に該当する」といいます。民法96条1項によると、「企業は商品券を消費者へ渡すという意思表示を取り消し、商品券の返還を求めることができる」そうです。

 また、民法709条によると、この消費者は「不法行為により、商品券の金額と送料など手数料分の発生した損害への賠償責任を企業に対して負う」といいます。刑事責任については「人を欺いて財物を交付させた者は10年以下の懲役に処する」という、刑法246条の詐欺罪に該当するとのことです。

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牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。