下品だからダメ? 正しい作法? ご飯茶わんで「お茶」を飲む行為に賛否、専門家は?
禅寺では今も正しい作法
Q.ご飯を食べ終わった後の茶わんでお茶を飲むことが、禅寺では正しい、というのは事実でしょうか。
齊木さん「事実です。修行僧にとってお食事をいただくことは、命をつなぐ大切なものとされており、『絶対に残さない』などの心得があります。お茶わんでお茶を飲むことでいうと、沢庵(たくあん)を1枚残しておきます。食事の最後にお茶を入れてお茶わんに残ったご飯粒をこそげ落として、きれいに洗います。そして最後に全ていただくのが作法とされています」
Q.お茶漬けは作法的に正しいものなのでしょうか。
齊木さん「お茶漬けは、日本古来のお米の食べ方であり、伝統的食事法という観点からすると正しいといえます。ただ、ここで気を付けなければならないのは、『箸の使い方』です。箸先は3センチ以上濡らすと不作法になります。つまり、お茶漬けをいただく際には、箸先はお茶につけず、わんからササっとすするのが作法とされています。『鯛(たい)茶漬け』『ひつまぶし』などの料理として出される場合も、いただき方に注意して味わってみてはいかがでしょうか」
Q.茶わんと湯飲みの正しい使い分け方など、ご飯とお茶に関する正しい作法があれば教えてください。
齊木さん「『茶わん』という場合は『飯茶わん』を示すことが多く、ご飯をよそうための『わん』は、特に『ご飯茶わん』『飯わん』と呼んで区別しますが、一般的にご飯をよそうものです。一方、『湯飲み』は飲み物を飲むときに使う器を指します。『湯飲み茶わん』ともいい、お茶やお湯など熱いものを注ぐことに適します。
ご飯やお茶をいただく際には作法があります。ご飯は、茶わんを左手(利き手ではない方。左利きの人は逆)に持ち、お箸の箸先3センチ以内を使い、少量ずつすくい上げて口に運びます。また、ご飯は手前から奥へ向かって食べると、きれいにいただけます。お茶は、湯飲み茶わんの絵柄を正面に出されたら、気持ち正面を外して飲むのが粋とされています。
また、湯のみ茶わんに取っ手がないのは、お湯の温度を確かめ、適温で飲む(お出しする)ため。日本人の心遣いともいえそうです」
(オトナンサー編集部)
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