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「養育費」の取り決めしないまま離婚…それでも元夫に請求できる? 弁護士が指摘する“注意点”とは

もし養育費の支払いについて取り決めをしないまま離婚した場合でも、親権者側が養育費を請求するのは可能なのでしょうか。養育費の請求時の注意点について、弁護士に聞きました。

離婚後も元配偶者に養育費を請求できる?(画像はイメージ)
離婚後も元配偶者に養育費を請求できる?(画像はイメージ)

 夫婦が離婚する際、子どもがいる場合に特に気になるのが養育費の問題です。もし養育費の支払いについて取り決めをしないまま離婚した場合でも、親権者側が養育費を請求するのは可能なのでしょうか。養育費の請求時の注意点について、弁護士の永島徹さんに聞きました。

元配偶者と連絡が取れなくなると請求が困難に

Q.そもそも、子どもがいる夫婦が離婚する際、法律上、夫婦のうちどちらかが養育費を支払わなければならないのでしょうか。また、夫と妻とでは、どちらの方が親権を取りやすいのでしょうか。

永島さん「子どもがいる夫婦の場合は、離婚する際にどちらかが親権を持つ、もしくは監護者となるかを決めると思います。このとき、親権を持つ人、監護者となった人は、子どもの養育にかかる費用が必要となるため、子どもと離れて暮らす元配偶者に対して養育費を請求する権利があります。これは離婚をした後でも、請求された側は養育費を支払わなければならない義務となりますね。

次に、夫婦どちらの方が親権が取りやすいのかについて、説明します。さまざまなケースや、価値観的な問題もあるとは思いますが、子どもの親権者については、母性を有する者が望ましいという母性優先の原則が前提とされており、実務上、母側が親権者になるケースが多いです。そのため、元夫から養育費を支払ってもらうというケースが多い傾向にあります」

Q.養育費は子どもが何歳になるまで請求できるものなのでしょうか。

永島さん「民法の改正によって成人年齢が18歳に引き下げられましたが、目安としては18歳、もしくは20歳までとするのかは家庭によってさまざまなケースがありますね。

両親が大学を卒業している人で子どもにも大学進学を望んでいるという場合、大学を卒業するまで支払いを続けるという取り決めも十分考えられるケースだと思います」

Q.養育費は離婚後も元配偶者に請求できるのでしょうか。請求時の注意点について、教えてください。

永島さん「養育費は、離婚時に取り決めをしていなかったとしても、その後、元配偶者に対して請求が可能です。ただし、養育費の支払い義務がある元配偶者の生活状況や経済状況によっては、スムーズに請求や支払いが進まないというケースも考えられます。

例えば、元配偶者に請求したいと思っても、連絡が取れなくなってしまったり、どこにいるのか分からなくなってしまったりというケースですね。法律上の手続きや条件などの交渉も難しいとなると、まず連絡を取る手段を見つけなければいけないということになります。

次に、金額の問題ですね。養育費の支払い義務がある元配偶者にどの程度の経済力があるのかというところで、『企業に勤めている』などで安定して養育費を支払えるどうかという点がまずありますね。

あとは、養育費は毎月支払いをするケースが一般的であり、その金額がなかなか決まらずにもめてしまうことも考えられます。詳細な金額に関しては、裁判所が用いる算定表というものがあり、両親双方の給与や子どもの人数などに基づいて目安を出すことができるのですが、夫婦間での協議が難航したり調停で決定するようになったりと、実際に支払いが行われるまでに時間を要することも十分考えられますね。

今後、民法改正により、法定養育費制度が導入される予定です。現在、実務的には、養育費は請求した時以降の支払いを請求する形になっていますが、法定養育費制度では、暫定的ではあるものの、法律上、養育費が決まるため、請求する前の養育費の支払いも受けられるようになります」

* * *

 養育費は離婚前、もしくは離婚の段階で取り決めを行わなくても請求はできるといいますが、スムーズに請求や支払いが進まないというケースが考えられるということです。今後、民法改正により、法定養育費制度が導入され、養育費の取り決め方が少しずつ変わっていくため、子どもがいて離婚を検討している場合は、情報をよく確認しましょう。

(オトナンサー編集部)

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永島徹(ながしま・とおる)

弁護士

第二東京弁護士会所属の弁護士。中央大学法科大学院を卒業後、都内法律事務所でパラリーガルとして働きながら司法試験の勉強を続け、司法試験に合格。司法試験合格後に、司法修習を経て、2020年11月から都内法律事務所で弁護士として勤務した後、2022年4月町田市に永島法律事務所を開設。一般民事事件及び刑事事件等を扱いながら、企業法務も扱い、複数企業の顧問弁護士も務めている。

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