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マックの「貧乏人セット」が大ヒット、両親から給料をもらい「子ども業」に専念…中国の若者が直面する“負け組人生”の実態と背景

「負け組」の生活様式が流行語に

「勝ち組・負け組」という言葉が日本で流行したのは、2000年代初めでした。社会学者・山田昌弘さんが「将来に希望を持てる人と絶望している人に二極化した」と指摘したのですが、同じような現象が今、中国でみられます。

 自らを「負け組」と称する人々の生活様式が、2024年の流行語にいくつかランクインしました。

「ウォーナンフェイ」というのは、主に非正規雇用の人々が、「仕事は苦しいのに収入はそれに見合わずかなり低く、さまざまな理不尽な要求や、他人から見下されたり、無能呼ばわりされたりすることに耐えねばならない」と自嘲するときに使います。自らを臆病で無能、人生「負け組」とし、そこには不満や無力感が反映されています。

 就職難に苦しむ若者たちは、「貧しさ」に向き合っていかなければなりません。

「貧乏人定食(窮鬼套餐)」というのは、2024年に出現したネットの流行語です。「おいしく安価」というのが売りで、マクドナルドが売り出したセットメニューから始まりました。「1+1随心配」(気ままに選ぶ2点セット)は13.9元(日本円で約280円)で、ハンバーガーと飲み物、またはデザートを自由に組み合わせることができるというものです。

 マクドナルドの「貧乏人セット」が大ヒットしたのを受けて、他の大手ファストフードにも波及しました。「ケンタッキー」「バーガーキング」「ピザハット」などの他、コンビニ、カフェチェーン店でも「貧乏人セット」が販売されるようになりました。

 中でも人気の店は「米村拌飯」という韓国系料理のファストフード店で、「貧乏人セット」はビビンバに小皿料理がセットになっていて、12元(約240円)という安価で提供されています。貧乏人セットの平均価格は13元(約260円)です。

「貧乏旅行」というのも近年、目立っている流行です。徹底的に出費を抑えて、自由な旅行を楽しむことです。

 貧乏旅行に欠かせない要素として「ソファー客」という流行語も誕生しました。ホテルなどの宿泊施設に泊まらず、ツテを頼って一般人の家に泊めてもらうわけですが、その際、ベッドではなくソファーに寝かせてもらうことが多いので、こう呼ばれています。

【画像】「えっ……!?」→これが、実は本場中国にはない「中華料理」です

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青樹明子(あおき・あきこ)

ノンフィクション作家・中国社会情勢専門家

早稲田大学第一文学部卒、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科修士課程修了。大学卒業後、テレビ構成作家や舞台脚本家などを経て企画編集事務所を設立し、業務の傍らノンフィクションライターとして世界数十カ国を取材する。テーマは「海外・日本企業ビジネス最前線」など。1995年から2年間、北京師範大学、北京語言文化大学に留学し、1998年から中国国際放送局で北京向け日本語放送のキャスターを務める。2016年6月から公益財団法人日中友好会館理事。著書に「中国人の頭の中」「『小皇帝』世代の中国」「日中ビジネス摩擦」「中国人の『財布の中身』」など。近著に「家計簿から見る中国 今ほんとうの姿」(日経プレミアシリーズ)がある。

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