美容皮膚科医が警鐘! 実は恐ろしい「悪いほくろ」は“早期発見”が何よりも重要…見分け方は?
誰でも1つや2つは必ずあるといってもいい「ほくろ」。実は「よいほくろ」と「悪いほくろ」があることを知っていますか? 美容皮膚科医に、両者の見分け方を聞きました。

顔や体のあちこちにできる「ほくろ」。「子どもの頃からある」「いつの間にかできてた」といったほくろも多いため、普段、ほくろのことを気にして過ごしている人は少ないかもしれません。しかし実は、ほくろの中には「よいほくろ」と「悪いほくろ」があり、特に「悪いほくろ」には病気の可能性も潜んでいるようです。
全国に26院を展開する美容皮膚科「リゼクリニック」新宿東口院の赤岩優妃医師は、「“悪いほくろ”を見つけたら、速やかに皮膚科を受診する必要があります」と警鐘を鳴らします。「よいほくろ」と「悪いほくろ」をどう見分ければいいのか、詳しく教えていただきました。
“悪いほくろ”は早期発見が重要
Q.まず、「ほくろ」とはそもそも何なのかについて教えてください。
赤岩医師「ほくろとは、皮膚にできる黒や茶色の小さな斑点のことを指し、医学的には『母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)』または『色素性母斑(しきそせいぼはん)』と呼ばれます。
ほくろは、皮膚のメラノサイト(色素を作る細胞)が局所的に増殖したものです。通常、良性で健康に影響を及ぼすことはありませんが、一部のほくろは悪性化する可能性があります。ほくろができる主な原因としては、主に次の3つが挙げられます。
・遺伝……家族にほくろが多いと、自分もほくろができやすい傾向がある
・紫外線……紫外線の影響でメラノサイトが活性化し、ほくろが増えることがある
・ホルモンの変化……思春期や妊娠中にホルモンバランスの変化により増えることがある
ほくろの色は黒、茶色、薄い褐色、灰色、青色、赤色など多様で、円形または楕円形が一般的ですが、不規則な形のものもあります。大きさは数ミリ程度が多いですが、先天性のものは大きくなることもあります。
できやすい場所は、顔、腕、背中、胸など、紫外線にさらされる部位が多いです。子どもの頃からある先天性のものもあれば、思春期や成人になってからできる後天性のものもあります」
Q.「ほくろ」には、特に問題のない「よいほくろ」と、何らかの異常や病気の可能性が考えられる「悪いほくろ」があるのは事実でしょうか。
赤岩医師「事実です。ほくろのほとんどは良性ですが、『悪性黒色腫(メラノーマ)』と呼ばれる皮膚がんの可能性を持つ“悪いほくろ”も存在します。この“悪いほくろ”は、悪性黒色腫(メラノーマ)のほか、その前段階の異常な細胞増殖を示すほくろのことを指します。
メラノーマは、メラノサイトががん化したもので、皮膚がんの中でも最も悪性度が高いとされ、早期発見・早期治療が非常に重要です」
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