他国より“圧倒的に低い”日本の「女性管理職」比率…女性たちが抱える「管理職への懸念」の正体
女性たちが管理職求人への応募をためらう理由
「企業にとって、女性管理職を増やすことは多様なメリットをもたらす可能性がある」と、内閣府男女共同参画局による研究報告で示されています。
例えば、「多様性によるイノベーションの促進」。女性視点の意見やアイデアによって視野が広がり、ディスカッションが活性化し、新たな発想が生み出されることがあるといわれています。
また、女性活躍推進のための働き方改革などにより、労働生産性が向上したケースや、女性就職希望者の増加、女性社員のモチベーション向上、また会社全体として離職率の低下などを挙げる企業もあるといいます。
こうした多様な観点から、女性管理職の増加は、中長期的な企業の成長につながると期待されているのです。
しかし一方で、Indeedが2024年2月に実施した「管理職への転職に関する調査」の結果からは、管理職求人への応募率において、男女でギャップがあることが明らかとなっています。管理職の求人への応募率は、男性が18.6%であるのに対し、女性は4.1%にとどまっていました。
なぜ、これだけの男女差が生じるのか――。理由を分析したところ、特に大きく影響しているのが「過去の管理職経験の有無」でした。
女性は、過去に管理職経験がないと応募を控えやすい傾向にあるといえます。企業側が「管理職未経験者であっても、管理職・管理職候補として採用したい」と考えていても、女性はなかなか応募に踏み出せない状況であると考えられるのです。
そしてもう一つ、同調査結果からは、「管理職になるとワークライフバランスが崩れるのではないか」と不安を抱く女性が多い様子も見受けられました。
非管理職求人には応募したものの、管理職求人には応募しなかった転職活動経験者に対し、「管理職に応募しなかった理由」を聴取しました。すると、男女ともに「ワークライフバランス」への懸念が最も多い結果となりましたが、特に女性の回答割合が36.8%と、男性の25.6%を大きく上回っていました。
管理職の働き方に対して不安を抱いていることが、女性が管理職への応募をためらう一因となっている可能性があります。
このような「管理職の役割を担う自信がない」「管理職になるとワークライフバランスを保てないかもしれない」といった女性たちの不安の中で、「ロールモデルがいるなら応募を検討してみようかな」と思ってもらうきっかけとして、求人内での「女性管理職の登用実績」の提示は機能するかもしれません。そして、ひいては企業の採用成功につながる可能性もあるでしょう。
企業の目指す方向はさまざまですが、管理職への応募を後押しする環境整備や情報開示を強化することで、女性が活躍する場が少しずつ増えてくるとなれば、企業はまだ見えていない新たな視点を獲得し、結果として企業価値向上につなげられる可能性もあるでしょう。そして、そのようなモデルケースが社会全体に浸透していくことも今後期待されます。
(Indeed Hiring Labエコノミスト 青木雄介)

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