GW明けに「疲れ」出るのは当たり前!? 効果的に解消するコツ&NG行為とは 精神科医が解説
ゴールデンウイーク(GW)明けに疲れを感じる原因のほか、疲労を効果的に解消するコツなどについて、精神科医に聞きました。

ゴールデンウイーク(GW)中に旅行やレジャーなどに出掛けた人は多いと思います。ただ、中にはゴールデンウイーク明けに疲れを感じるようになり、仕事や私生活に支障を来してしまう人もいるようです。そもそも、ゴールデンウイークのような大型連休後に疲れを感じるのはなぜなのでしょうか。連休後の疲労の原因や疲れを効果的に解消する方法などについて、神谷町カリスメンタルクリニック(東京都港区)院長で精神科医の松澤美愛さんに聞きました。
3月から4月にかけて蓄積したストレスが心身に影響を及ぼす
Q.ゴールデンウイークのような大型連休後に疲れを感じるようになる原因について、教えてください。
松澤さん「大型連休後に疲れを感じるようになるのは、主に次のような理由があります。順番に説明します」
【ゴールデンウイークの場合】
・環境変化によって少しずつ蓄積されてきたストレスが現れる
ゴールデンウイーク前の3月から4月は、就職や転勤、転職、異動など、大きな環境の変化が起こりやすい時期です。生活全般が変わってしまうということも珍しくありません。自分自身には変化がなくても、同居する家族の入学や進学、またそれに伴う親元を離れての1人暮らしなど、家族の生活スタイルや生活リズムが変わることもあるでしょう。そんなとき、人間は最初、無意識に緊張を高め、気を張って毎日を過ごしますが、次第に疲れを感じるようになります。
人間が新しい環境の適応によるストレスで疲れを感じ始めるのは、新しいことを始めてから1~2ヵ月以内といわれており、ちょうどゴールデンウイークの時期と重なります。「とりあえずゴールデンウイークまで頑張ろう」と思って過ごした経験があるかもしれませんが、そのような場合は少しずつ蓄積されてきたストレスがゴールデンウイーク後、心身の不調になって現れやすいといわれています。
【ゴールデンウイークを含む大型連休の場合】
・日常とは違うことに精を出した結果、「レジャー疲れ」「家事・雑用疲れ」などに陥る
大型連休前に「日常を忘れて思う存分楽しみたい」と思う人は多いのではないでしょうか。そのような場合、例えば旅行の計画時に移動や観光、自由時間などの予定をたっぷりと詰め込んでしまいがちです。その結果、旅行の際に体力を消耗し、疲れがたまってしまいます。
日常とは違うことを行うと、普段以上にエネルギーを消費するものです。また、せっかくの大型連休、どこにも出掛けない分、普段はできない家のことを頑張ろうと、掃除や片付けなど、たまっていた家事に精を出したり、雑用をこなしたりする場合も同じことが言えます。
・生活リズムの乱れ
大型連休は普段とは違うことをして過ごすことが多く、生活リズムが乱れがちです。いつもは寝ている時間でも明日も休みだからとつい夜更かしをしたり、予定がないからと朝遅く起きたりしがちです。反対に外出のために早朝に起きることもあるでしょう。このような睡眠リズムの乱れは生活リズムの乱れに直結し、心身の疲労を感じやすくさせます。
また、食事のときはいつもより食べる物や食べるペースが変わりがちです。「食事の時間がずれる」「いつもより飲酒量が増える、食べ過ぎる」「香辛料や刺激物を多く摂取する」ことなどは胃腸に負担をかけ、睡眠の質にも影響を与えます。
・「連休が楽しく、日常に戻りたくない」「連休と日常のギャップを感じる」
大型連休中は旅行や外出、趣味、掃除・片付けなど、普段とは違うことをして過ごすことが多く、気分転換やストレス解消となる楽しい時間も多いでしょう。また自分のペースで行動しやすいことも日常との大きな違いでしょう。そんな時間が長くなればなるほど、日常とのギャップを意識してしまうかもしれません。「休みが終われば、また日常が戻ってきてしまう」というネガティブな気持ちはストレスとなり心身に影響を与えます。
・今の仕事にストレスを抱えている
大型連休後、何よりも仕事に対する疲労感、憂鬱(ゆううつ)感が強い場合は、今の仕事にストレスを感じている可能性が考えられます。例えば「とりあえず連休まで」という気持ちでどうにか乗り切ってきた場合、連休中は考えないようにしていた仕事内容や職場環境、人間関係、やりがい、適性などについて改めて向き合うことを強いられるからです。この場合、連休中に仕事のストレスから一時的に解放されたことで、連休明けにより一層、仕事に行くことへの抵抗感が強くなってしまうことがあります。
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