GW明けに「疲れ」出るのは当たり前!? 効果的に解消するコツ&NG行為とは 精神科医が解説
疲れを感じているときの対処法は?
Q.ゴールデンウイーク後に疲れを感じている場合、どのように対処すればよいのでしょうか。疲労回復に効果的な方法について、教えてください。
松澤さん「日常の生活リズムに戻すことを最優先させましょう。そこで、次の4つの取り組みがお勧めです」
【生活習慣を整える】
起床時間、就寝時間を通常のリズムに戻しましょう。疲労を理由に早く寝ることも悪くはないのですが、急に生活のリズムを変更すると、たとえいつもより睡眠時間を多く確保できたとしても、睡眠の質が悪くなり、思うような疲労回復につながらないケースがあります。できるだけ普段のリズムに合わせて、起床時間や就寝時間を整えましょう。
【睡眠時間を十分に取る】
先述のように、単に睡眠時間を増やせばよいということではありません。睡眠の質を高めることを意識しましょう。例えば、いつも就寝前にスマホを1時間使っていた場合は30分にとどめたり、入浴時にシャワーで済ませていたのであれば湯船につかったりするなどの取り組みを行うだけでも、睡眠の質が向上します。質の良い睡眠は疲労回復には一番の薬です。
【適度な運動をする】
疲労感を感じるとき、体をしっかりと休ませることだけを意識する人が多いですが、疲労には肉体的な疲労と精神的な疲労の両方があります。肉体的な疲労は十分な睡眠を取ることでも解消されますが、適度な運動を加えることで疲労がより軽減することが研究結果で証明されています。適度な運動は血流を改善させ、酸素供給量を増やし疲労回復につながります。
精神的な疲労を解消するには体を休めることだけでは不十分で、心身のバランスを整えること、心身のリラックスが必要です。運動をすること自体がストレス解消になりますし、脳がリセットされ、精神的なリフレッシュ効果が期待できます。このほか、運動により、精神を安定させる作用がある、脳内物質のセロトニンやエンドルフィンの分泌量が増え、その結果、気持ちが明るくなり、疲労を感じにくくなるとされています。
【心身をリラックスする時間を積極的に取る】
心身のリラックスのためには自分が心地よいと思う空間で、好きなことをする時間を持つことが大切です。これは自宅でも、短い時間しかなくても実現することができます。例えば、「ゆっくりと入浴をする」「アロマオイルを使い、部屋に好きな香りを取り入れる」「好きな音楽を聞く」といったことでも日常から離れ、リラックスすることができます。1日の終わりや1日の始まりに数分間、深呼吸を繰り返しながら呼吸を意識して、心を落ち着かせることもお勧めです。
Q.疲労がたまっているときにやってはいけないことはありますか。例えば飲酒は好ましくないのでしょうか。
松澤さん「特に疲労を感じているときは、物理的にも精神的にも無理をするのは禁物です。疲労が残る中、できるだけ早く仕事を通常のペースに戻そうと無理をするのはよくありません。焦りは心身に負担をかけ、余計につらくなってしまいます。
休み明けに心身を通常のペースに戻すには、ある程度の時間が必要です。実際にはやることが山積みだとしても、自分の心の中で『まずは出社するだけで良い』と思うだけでも変なプレッシャーから解放されます。少しずつ、自分の普段のペースに戻していきましょう。
また大型連休後、疲労を感じて『仕事に行きたくない』と思ったとしましょう。そんなときは『自分は今、仕事に行きたくない』という気持ちを素直に受け入れましょう。『仕事はしなければならないもの』などと自分の気持ちを否定し、抑圧してしまうと、余計にその気持ちが強くなってしまうことがあります。
飲酒は一見ストレス解消になると思われがちです。ただ、お酒を飲むことで疲労を感じないようにさせているだけで、実際に疲労を解消してくれるものではありません。またお酒を飲むと肝臓でアルコールを分解するために、体にある程度の負担がかかるといわれており、疲れているときの飲酒は、体により一層の負担をかけます。
また、お酒を飲むと入眠後に生じる覚醒作用により、不眠の原因にもなることから、特に疲労がたまっているときの飲酒はNGです」
Q.もし大型連休後に残った疲労を適切に解消しなかった場合、どのようなデメリットが生じる可能性があるのでしょうか。例えばメンタル面で影響が生じる可能性はありますか。
松澤さん「疲れが残っていると仕事に集中できない可能性があります。その場合、集中しようとすればするほど焦りが生じ、単純なミスを繰り返してしまうケースが考えられます。すると、ミスで職場の上司に叱られたときに自分を責め、心が徐々にネガティブモードに入ってしまうかもしれません。こうした状況に陥ると、憂鬱(ゆううつ)な状態が続き、『眠りにくい』『食欲が出ない』など、心身の不調につながる可能性があります。
先述のセルフケアの方法を実践しても改善の様子が見られなかったり、不調が長引いたりするような場合、それがすでに症状として現れている可能性のほか、病気や障害の兆候である可能性が考えられます。自分の体や心の声にじっくりと耳を傾け、深刻な状態になる前にきちんと精神科や心療内科を受診し、医師に相談してみましょう。果たして今の自分がどういう状態なのか、それを確かめることも大切なことです」
(オトナンサー編集部)





コメント