オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

夫が家出し、2子と暮らす妻が選ぶべきは「今すぐ離婚」か「とりあえず別居」か(上)

けんかをして、実家にかくまわれた夫

 智子さんはちょうど半年前、夫と大きなけんかに発展し、激しい言い合いを展開したそうです。結局、夫の方が「もうどうなっても知らないからな!」と捨て台詞を吐き、荷物をまとめて家を出ていきました。

「向こうの母に確認したところ、旦那を実家でかくまっていることが分かったんです!」

 智子さんはあきれた表情で振り返りますが、すでに別居から半年が経過。「離婚なら離婚で仕方がない」と腹をくくっていたのですが、肝心の夫はどっちつかずで煮え切らない態度を取り続けたようで…。

「先の見通しも立たず、時間ばかり過ぎていくのは不安でした」

 智子さんは当時の心境を口にしますが、戻ってくるか分からない夫を待ち続けるのは、不安が募るのも無理はありません。すでに別居から6カ月が経過していました。

「旦那さんがちゃんと生活費を入れてくれていれば、今のままでもよいでしょう」

 私は投げかけたのですが、智子さんは首を横に振るばかり。智子さんの様子から、夫に対して生活費を入れるよう頼んでいないのは明らかでした。智子さんの話を聞いたところ、智子さんが躊躇(ちゅうちょ)した理由は2つあるようです。

 1つ目の理由は別居の経緯です。

「私が先に『もう出て行ってよ!』と当たった責任もあるので、(生活費のことを)言い出せなかったんです!」

 智子さんは夫婦げんかの様子を回顧しますが、智子さんの言葉に反応して夫が出て行ったので、別居のきっかけを作った自分がお金を請求するなんて気まずい、という負い目を抱えていたようです。

 2つ目の理由は口座引き落としです。同居中は、当たり前のように住宅ローンと固定資産税を夫の口座から引き落としていましたが、別居後も引き落としを継続していました。しかし、現在、夫名義の持ち家に住んでいるのは妻子だけ。夫は自分が住んでいない家の維持費を負担しています。

「口座の分とは別にってことですよね? それはちょっと、もらいすぎなんじゃないかって」

 夫は実家に逃げ込んでおり、家賃はかかりませんが、それでも夫は別居先で住宅ローンと固定資産税を支払い、残ったお金で生活しなければなりません。夫のことを考えると、口座引き落としとは別に現金で生活費をもらうことに智子さんは後ろめたさを感じていたのです。それにしても今回の場合、別居のタイミングがあまりにも悪すぎました。

1 2 3

露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

行政書士(露木行政書士事務所代表)

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

注)離婚手続きに関して、個別事情を踏まえた離婚手続きや離婚条件に関する法的観点からの助言が必要な場合は弁護士に依頼してください。

各都道府県の弁護士会
https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/bar_association/whole_country.html

法テラス
https://www.houterasu.or.jp/

露木幸彦(つゆき・ゆきひこ) 関連記事

もっと見る

新刊案内(露木幸彦) 関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

ライフ 最新記事

ライフの記事もっと見る

コメント