年収480万円の夫と離婚した34歳主婦、養育費は「定額」「変額」のどちらにすべきか(上)
離婚の際に問題となる「養育費」。今回は、年収480万円の夫と離婚した女性のケースを例に、「定額」と「変額」のどちらがよいのか、筆者が解説します。

ほとんどの夫婦は「子どものために」離婚を思いとどまるのですが、残念ながら「子はかすがい」ではない夫婦もいるようで…息子、娘のことなんてそっちのけ。一目散に離婚届をもらって証人欄に両親の署名をもらい、夫、妻の欄に記入し、そして、親権者の欄の「母親」にチェックを入れ、さっさと役所へ提出する夫婦がいるのも事実です。
養育費は「最後まで一緒」が理想的だが…
「夫婦から友達に戻ろう」
そんな甘ちょろい戯れ言を言うようなロマンティストは、そもそも離婚しないでしょう。金輪際、縁を切りたいから、そして「いない方がよい存在」だから、迷わずに離婚するのです。離婚前から、顔も見たくない、声も聞きたくない、連絡も取りたくないのだから、離婚後は尚更です。そのため、お互いに一切接点を持たないように「子どもの養育費は最初から最後まで一緒」が理想的です。
しかし、再婚や養子縁組、転職や失業、高校や大学受験、予備校の講習など、離婚時に予見できない事情が起こりうるのも事実です。養育費の金額や期間をどのように工夫すれば「二度と会わない」と決めた相手と会わずに済むのでしょうか。
今回は、養育費の月額を「定額」にする場合と「変額」にする場合の功罪について掘り下げましょう。定額とは「全期間、同じ金額にする」、変額とは「段階的に増額する」という意味です。
<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名。年齢は現在)>
夫:山中健介(36歳)→会社員(年収480万円)
妻:山中順子(34歳)→専業主婦 ※今回の相談者
長女:山中優奈(4歳)→山中夫婦の娘
今回の相談者は山中順子さん。すでに順子さんが娘さんの親権を持ち、離婚後は一緒に暮らすことは決まっていましたが、残るは養育費です。順子さんはパートタイマーで年収60万円、母子家庭の生活費は141万円、娘さんの進路は大学まですべて国公立という条件で離婚後のキャッシュフロー表を作成してみました。夫の年収(480万円)を考えた場合、養育費は定額と変額、どちらが適しているのでしょうか。
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