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捻挫した時の対処法、病院に行くべきかの判断基準、治療法を解説

日常生活の中で捻挫をしてしまった際、どのように対処すればよいのでしょうか。捻挫の症状や治療法について、医師とともに解説します。

捻挫をした時の対処法や治療法とは?
捻挫をした時の対処法や治療法とは?

 日常生活の何気ない動作がきっかけで起こる「捻挫」。足首だけでなく、手首や腰など、体のさまざまな部位で起こります。

 捻挫は子どもから高齢者まで、幅広い世代に起こりやすいケガの一つです。捻挫をしてしまった時の対処法や判断、治療法について、光伸メディカルクリニックの中村光伸院長(整形外科)に聞きました。

捻挫の分類と症状

 捻挫は、無理な体勢で関節にねじれが生じ、大きな負担がかかった時に起こります。関節が正常な可動域以上に動かされた時、伸びた靭帯(じんたい)の損傷具合によって、3つの重症度に分類されます。

【捻挫I度】

靭帯の損傷が軽度の状態を指します。靭帯が通常よりも伸びてしまった状態ですが、断裂してはいません。痛みがあるものの、腫(は)れや内出血はあまり見られません。

【捻挫II度】

靭帯が部分的に断裂した状態を指します。症状としては痛みや腫れ、内出血が見られます。

【捻挫III度】

捻挫した部位の靭帯が完全に断裂した状態を指します。捻挫をしたと同時に、非常に強い痛みを感じます。患部が大きく腫れ上がり、広範囲にわたって内出血が確認できます。靭帯が完全に切れているため関節が不安定になり、グラグラとするような感覚がある他、触るだけでも強い痛みを感じることがあります。

 捻挫は関節の過負荷な動きによって、その関節周囲の関節包や靭帯が損傷した状態を指します。突き指、ぎっくり腰、むち打ち症などは、その部位の捻挫が原因のことがあります。中でも、最も捻挫を起こしやすい部位が足首です。

 足首の他に、転んで手をついた衝撃やスポーツの場面で手首を捻挫することがあります。手首の骨は足に比べて細いため、衝撃で骨折しやすく、重度の捻挫(捻挫II~III度)と間違いやすい特徴があります。腫れが引かない場合は骨折を疑い、すぐに医療機関を受診してください。

 ぎっくり腰やむち打ち症の原因の中にも捻挫があり、その場合の診断名は「腰椎(ようつい)捻挫」「頚椎(けいつい)捻挫」となります。

捻挫の応急処置

 捻挫をしてしまった時は、すぐに「RICE」処置を行います。RICEとは「R=Rest(安静)」「I=Ice(冷やす)」「C=Compression(圧迫)」「E=Elevation(挙上)」の頭文字からなる名称で、捻挫をした時の4原則とも言われます。

 安静にする場合、すぐに医療機関を受診する場合のいずれにしても、捻挫後できるだけ早くRICE処置を行うことが大切です。いかに早くRICE処置をできるかがその後の回復や痛みの程度に影響するため、周りに人がいる場合は協力してもらいながら手早く行ってください。

【Rest(安静)】

捻挫した部位を動かさず、安静にします。患部が動かないよう、テーピングや三角巾などで固定します。

【Ice(冷やす)】

痛みがある部位を氷や冷水で冷やします。捻挫をしてから72時間冷やし続けることが原則です。氷などを当て、感覚がなくなるぐらい冷やしたらいったん氷を外し、少し時間を置いてから再び氷で冷やすなど、調整しながら冷やし続けます。

【Compression(圧迫)】

捻挫した部位を圧迫することで、腫れを最小限に抑えることができます。圧迫が強すぎると血流が止まり、青白くなってしまうため注意が必要です。圧迫する際は包帯やタオルを使ってください。

【Elevation(挙上)】

腫れを防ぐため、心臓よりも高い位置に捻挫した部位を上げます。座っている場合は、いすなどに捻挫した手や足を乗せ、寝ている場合は、枕や座布団などを下に置いて手や足を高い位置にするなど工夫してください。

捻挫の診察と治療

 捻挫をした場合は、基本的に医療機関(整形外科)を受診してください。捻挫と思っていても、靭帯の損傷以外に骨折を伴っている場合があり、診断名はもとより、根本的な治療方針が変わります。特に、腫れが強い場合には自己判断をしないよう注意が必要です。

 医療機関では、捻挫の程度によって治療方法が異なります。軽度の捻挫(捻挫I度)では基本的にRICE処置が施されます。中度の捻挫(捻挫II度)ではRICE処置に加え、十分な固定が行われます。包帯やテーピングなどにより、1~2週間は患部を安静にできるようにします。

 重度の捻挫(捻挫III度)では、RICE処置だけでは不十分となるため、ギブスでの十分な固定が施されます。一定期間完全に固定されるため、関節が固まってしまわないように経過を見ながらリハビリも行われます。靭帯の断裂状況や部位によっては、手術による靭帯再建を行うこともあります。手術の場合は入院が必要です。

捻挫の治療経過と予防

 捻挫の再発を防ぐには、完治させることが第一です。痛みが引いたからといって関節や靭帯が緩い状態のままで動かしてしまうと、再び捻挫しやすくなります。これを繰り返すことで癖になってしまい、関節がグラグラした不安定な状態になります。

【サポーターを使用する】

完治するまでの間、どうしても動かなければならない場合、専門医に相談してください。サポーターの患部保護作用は微力です。自分の症状や動き(日常生活時、スポーツ時)に合わせて選ぶ必要があります。

【筋力トレーニングをする】

捻挫の予防に必要なのは、関節の安定化です。効果的なのは、関節の周りの筋力を鍛えること。基本的には「捻挫した方向と反対側に関節を曲げる習慣をつける」ことを覚えておくとよいでしょう。

日頃から捻挫を防ぐ意識を

「捻挫はスポーツの場面だけでなく、日常生活において誰にでも起こりうるものです。捻挫をした場合はすぐにRICE処置を行い、医療機関を受診してください。また、捻挫の発生や再発予防のためにサポーターを利用したり、筋力トレーニングを行ったりすると効果が期待できるでしょう。日頃から転倒しないよう気をつけたり、体を動かす前に軽くウオーミングアップを行ったりして、捻挫を防ぐ意識を持つことが大切です」(中村さん)

(ライフスタイルチーム)

中村光伸(なかむら・こうしん)

光伸メディカルクリニック院長・医学博士

北里大学医学部卒業。北里大学整形外科専任講師、都内美容外科クリニック勤務を経て、2011年12月、光伸メディカルクリニックを東京都新宿区に開業。「美容皮膚科」(美を追求する見た目)と「整形外科」(若さを追求する動き目)の2つの診療科にわたって、美と若さを積極的に目指す「リバースエイジング」の治療を行っている。特にヒアルロン酸注入を中心とした、メスを使わない美容医療をとことん追求し続け、15年間で約4万症例(2017年12月現在)の実績を誇り、オリジナル注入技法を用いて全国の医師に技術指導を実施するなど、「ヒアルロン酸の名医」として活躍中。日本整形外科学会専門医、日本抗加齢学会認定専門医。所属学会は日本美容外科学会、日本美容皮膚科学会。