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太るだけじゃない…寝る前に“甘いもの”を食べてはいけないワケ 糖尿病専門医が解説

寝る前に甘い飲食物を摂取した場合、血糖値や睡眠の質にどのような影響を及ぼす可能性があるのでしょうか。糖尿病専門医に聞きました。

寝る前に甘い飲食物を摂取すると、どうなる?
寝る前に甘い飲食物を摂取すると、どうなる?

 夜に甘い物が食べたくなった経験はありませんか。疲れているときやお酒を飲んだ後などに甘い物が食べたくなる傾向にあるようです。もし、寝る前に甘い飲食物を摂取した場合、血糖値や睡眠の質にどのような影響を及ぼす可能性があるのでしょうか。「eatLIFEクリニック」(横浜市旭区)院長で、内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。

糖尿病のリスク増

Q.甘いものを食べた後に眠くなることがありますが、なぜなのでしょうか。

市原さん「甘いものの摂取により、血糖値が急上昇したことが原因だと考えられます。健康な人の食後の血糖値は140ミリグラム/dl未満ですが、血糖値が200ミリグラム/dlを超えると眠気の原因となります」

Q.就寝前に甘いものを食べたくなることがあります。これは、体にとって良くない行為なのでしょうか。

市原さん「健康な人であれば、甘いものを食べたときに『インスリン』という血糖値を下げるホルモンが分泌されるため、寝る前に甘いものを食べても血糖値に影響しません。ただし、インスリンは体重の増加を促すため、太りやすくなります。太るとインスリンの効き目が弱くなり、結果的に糖尿病になりやすくなります」

Q.甘いものを食べると眠くなるという理由で、就寝前に甘いものを食べてから寝た場合、睡眠の質にどのような影響を及ぼす可能性があるのでしょうか。

市原さん「食後の血糖値が上がりやすい状態の人であれば、寝る前に甘いものを食べると眠くなることがあります。ただし、寝る前に甘いものを摂取すると、先述のように太る原因になります。また、飲食物の消化のために胃腸が休まらないため、就寝できたとしても、熟睡できない可能性があります。

寝る前に甘いものを摂取する習慣が身に付いた場合、糖尿病や脂質異常症にかかったり、脂肪肝になったりするリスクが上がります」

Q.就寝前にどうしても甘いものが食べたくなった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

市原さん「甘い菓子を食べるのではなく、あめなどを少量摂取することで気持ちを満たすようにしましょう。例えば、紅茶やコーヒーに人工甘味料を入れて甘くして飲むとよいかもしれません。ただし、カフェインによって睡眠が妨げられることがあるため、紅茶やコーヒーの摂取は少量にとどめておきましょう」

(オトナンサー編集部)

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市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

eatLIFEクリニック院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。eatLIFEクリニック(https://eatlife-cl.com/)。

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