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日本にも根付くか 学びのための長期休暇「サバティカル休暇」とは? 導入企業を訪問

休暇取得を周囲に説明する

萩原麻文美さん(左)と西村晋一さん
萩原麻文美さん(左)と西村晋一さん

 MSD人事部門人事グループマネージャーの萩原麻文美さんに、導入の背景を聞きました。

Q.「ディスカバリー休暇」を始めた経緯は。

萩原さん「きっかけは社員からの提案です。MSDでは、2014年後半から働き方改革を真剣に考え始めました。1999年導入の裁量労働制が既に社内で浸透していたので、理由を問わず取りたい人がいつでも取れる長期休暇制度や、週3~4日勤務の制度を作りたいという構想がありました」

Q.どのようにして休暇を取るのですか。

萩原さん「遅くとも休暇開始の1カ月前には上司に話し、申請するのがルールです。休暇でどのようなことを得たいのか、取得を同僚にどう説明するのか、社内外とどういう協力関係を築くのかなどを上司とよく話し合ってもらいます。上司が承認して終わりではなく、社員自身が責任を持って周囲へ説明します。それをクリアできたら休暇を取れます」

Q.取得者はどれくらいいますか。

萩原さん「2015年9月から現在までで12人です。部長、課長クラスもいます。全社員の約3%で、これから増やしたいと思っています。業務に直結する知識を身に付けるため大学院に通う、インドに1カ月間公衆衛生のボランティアに行く、ネクストキャリアを見据えた活動をする、子どもと一緒に夏休みを取って子どもと向き合う時間を作る、業務に追われる状況から立ち止まって自分のキャリアを見直したい、など理由はさまざまです」

Q.社内への影響は。

萩原さん「『いつでも、誰もが休む可能性がある』ということで、業務を複数人で担当する体制を作ったり、業務の『見える化』を行ったりする動きが活発になりました。どのような休暇を取っても、迷惑がかかるのは当たり前。『迷惑をかけても、どうすれば良いパフォーマンスを出し続けられるか考えてください』と言っています」

Q.開始前の懸念と、その解決策は。

萩原さん「売り上げや業績悪化、周囲の負担増という懸念があったので、試行から始め、『懸念していることは起きない』ことを示しました。福利厚生の休暇制度ではなく、キャリア支援制度という位置づけのため、休暇取得者には説明責任が求められることも徹底しました」

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