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勉強に支障が出るケースも…小中学生の重い「生理痛」どう対応すればいい? 産婦人科医に聞いた

近年、小学生や中学生が苦しむケースが増えているという「生理痛」。中には、勉強などに支障が出るほど重い症状に悩む子どももいるようです。親はどう対応すればいいのか、産婦人科医が解説します。

重い生理痛に苦しむ子どもが増加中…?
重い生理痛に苦しむ子どもが増加中…?

 今、小学生や中学生が「生理痛」に苦しむケースが増えているようです。中には、勉強や部活動などに支障が出てしまうほど重い生理痛に悩む子どももいるようで、親からは「つらそうなのが心配」「もし何か病気が潜んでいたらどうしよう…」「鎮痛剤を飲ませてもいいの?」など、不安や疑問の声が聞かれます。

 小学生や中学生の「生理痛」に、親はどう対応したらいいのでしょうか。神谷町WGレディースクリニック(東京都港区)院長で産婦人科医の尾西芳子さんに聞きました。

高校生になっても「鎮痛剤が手放せない」場合は要注意

Q.小学生や中学生が「生理痛」に悩んでいるケースが増えてきているというのは事実といえますか。

尾西さん「はい、生理痛に悩む子どもが増えているのは事実です。生理が始まる年齢が低年齢化していることとともに、昔に比べて運動量が減っていることで、骨盤内の血行が悪くなっていることなども原因の一つと考えられます。

昔に比べ、生理について話しやすい社会になり、こうした悩みがオープンに共有されやすくなった点もあるでしょう」

Q.子どもの時期(思春期)の生理痛と、大人(成人以降)の生理痛は、何か違いがあるのでしょうか。

尾西さん「初経が来て間もない時期の生理痛は、子宮の入り口がまだ狭く、うまく子宮の内膜が排出されないことで子宮が過度に収縮し、痛みが強くなることが一つの原因と考えられています。この場合は病気ではないので、生理の係数を経験するごとに少しずつ子宮の入り口が開き、生理痛も軽くなっていきます。

一方、大人の生理痛は子宮筋腫や、子宮内膜症などの病気が潜んでいることが多く、徐々に悪化する傾向があります」

Q.中には、重い生理痛に悩む子どももいるようですが、どのような原因が考えられますか。

尾西さん「基本的には、初経を迎えて間もない時期の生理痛は心配いらないことが多いのですが、中学生や高校生になっても鎮痛剤が手放せない、鎮痛剤が効かないといった生理痛が続く場合は、将来的に子宮内膜症などのリスクが高いといわれており、目に見えないレベルで病変が潜んでいると最近では考えられています」

Q.子どもの生理痛の症状が重い場合、鎮痛剤を飲んでも問題ないのでしょうか。

尾西さん「はい。生理痛がひどい場合は我慢せずに、鎮痛剤を内服しましょう。ただし、子どもはまだ体が小さいことなどから、大人と同じ薬剤を使うと強すぎたり、胃潰瘍になったりする危険性があるため、『アセトアミノフェン』や『イブプロフェン』が使用されることが多いです。

また、漢方薬にも、即効性があって生理痛に効くものがあるので、試してみるのもおすすめです」

Q.小中学生の子どもが生理痛に苦しんでいる際、親が注意して見ておくべきこと、意識しておくとよいこととは。

尾西さん「非常にまれではありますが、初経の際に膣(ちつ)が閉じてしまっていて、経血(生理の血)が外に出せないため、生理痛が非常に強くなる『モリミナ』という状態の場合もあります。まずはしっかり出血があるか、また出血が多すぎないかなどを確認しましょう。

また、年々悪化していく生理痛は、病気が潜んでいる可能性が高いので注意が必要です。早めに婦人科を受診し、相談しましょう。

鎮痛剤は、痛みが強くなる前に正しく使用できるよう、親が子どもに使い方を説明してあげてください」

(オトナンサー編集部)

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尾西芳子(おにし・よしこ)

産婦人科医(神谷町WGレディースクリニック院長)

2005年神戸大学国際文化学部卒業、山口大学医学部学士編入学。2009年山口大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院研修医、日本赤十字社医療センター産婦人科、済生会中津病院産婦人科などを経て、現在は「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と、女性の全ての悩みに応えられるかかりつけ医として、都内の産婦人科クリニックに勤務。産科・婦人科医の立場から、働く女性や管理職の男性に向けた企業研修を行っているほか、モデル経験があり、美と健康に関する知識も豊富。日本産科婦人科学会会員、日本女性医学学会会員、日本産婦人科乳腺学会会員。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/)。

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