“隠れ糖尿病”の異名も 「血糖値スパイク」放置でどんなリスク? 原因&症状を専門医に聞く
血糖値スパイクを防ぐには?
Q.血糖値スパイクをできるだけ予防するには、どうすればよいのでしょうか。
田中さん「血糖値スパイクを起こさないようにするために心掛けたいのは、正しい食事方法と適度な運動です。
食事については『単・速・多』を避けるようにしましょう。糖質を『単品で』『速く』『多量に』食べてしまうと、血糖値スパイクが起きやすくなります。そこで、糖質を取る前におかずでたんぱく質や脂質、食物繊維を取っておくと、その分、膵臓からインスリンが早めに分泌されるようになり、食事の際にインスリンの分泌が間に合いやすくなります。
また食事をゆっくり取ると、さらに良いです。糖質の量も多くなり過ぎないことで血糖値の上昇を抑えることが可能です。
逆に、この『単・速・多』が生じやすい食べ物としては、そうめんなどの麺類のほか、ジュースのような液体の糖質、アイスクリームが挙げられます。これらは単品で取ってしまうことが多く、のど越しが良いので摂取の速度が速くなりがちで、その分、摂取量も多くなる傾向にあります。
運動は、血糖値スパイクの予防に有効です。食事の直後で血糖値が上がり始める前に運動を始めると、血糖値の上昇幅を抑えることができます。食事の直後に運動ができれば最善ですが、時間の都合で難しい場合は、食前の運動でも血糖値スパイクを抑える効果が期待できます。
また膵臓のインスリンの生産能力を強化することはできませんが、インスリンの効きやすさを改善させるために筋量を増やすことや体脂肪を減らすことも有効です。
筋肉量不足と過剰な体脂肪は、インスリンが効きにくい、いわゆる『インスリン抵抗性』を招き、高血糖になりやすくなるため、その結果、血糖値スパイクが起きやすくなります。血糖値スパイクを予防するためにも、日頃から体作りを実践していきましょう」
(オトナンサー編集部)
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