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夏の甲子園開幕! 記録的猛暑の中、選手や応援団の「熱中症」対策は? 日本高野連に聞く

「夏の甲子園」が、きょう8月5日に開幕します。記録的な猛暑の中での開催となりそうですが、熱中症対策はどうなっているのでしょうか。

高校野球も熱中症対策が大きな課題となっている
高校野球も熱中症対策が大きな課題となっている

「第100回全国高校野球選手権大会」が8月5日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕します。

 夏の甲子園は高校球児が夢見る大舞台ですが、今年は記録的な猛暑が7月中旬から続き、地方大会では熱中症とみられる症状で、選手や応援の生徒たちが次々と救急搬送されました。気象庁が「命の危険がある暑さ」として熱中症対策を呼び掛ける中、地方大会では、京都大会で暑さの厳しい時間帯に約3時間の休憩を挟むなどさまざまな対策が取られました。

 甲子園ではどう対応するのでしょうか。日本高野連の竹中雅彦事務局長に聞きました。

高校野球のために建設した球場

Q.そもそも、なぜ8月に全国大会を開催するのですか。

竹中事務局長「学校の教育活動の一環としての部活動、という位置づけですので、学校の長期休業中に行うというのが基本的な考え方です。授業がない春休みに選抜大会を、夏休みに選手権大会を開催しています」

Q.昔より気温が高くなり、猛暑日も増えている中で、時期の見直しは議論しないのでしょうか。

竹中事務局長「確かに今夏の暑さは特別です。当連盟には選手権大会運営委員会が設定されていますので、そちらで十分な検討をする必要性を強く感じています」

Q.なぜ甲子園で開催するのでしょうか。ドーム球場での開催などを検討したことはないのでしょうか。

竹中事務局長「阪神甲子園球場は高校野球(当時は全国中等学校優勝野球大会)を開催するために建設された球場です。当初は豊中や鳴尾球場で開催された時期もありましたが、第10回大会から現在までずっと甲子園球場で開催しており、今は高校野球=甲子園(聖地)という考えが定着しています」

Q.昼間の一番暑い時間帯を休憩にするという議論はなかったのでしょうか。甲子園はナイター設備があり、延長戦でナイターになった試合もありました。

竹中事務局長「今夏の京都大会では第2試合と第3試合の間に3時間程度の休憩時間を取ったという事例がありました。今後の大会運営のヒントとなる英断でした。ただ、全国大会では観客の再入場が不可となっているため、休憩時間を取った場合の過ごし方が課題です。また、第4試合をナイターとした場合、学校応援団の帰宅がかなり遅くなるというデメリットもあります」

Q.ベンチなどに冷房設備はあるのでしょうか。選手や応援団が使う施設の冷房の設置状況は。

竹中事務局長「1、3塁ベンチ後方には、冷気の吹き出し口があります。また、ベンチの上部には電動式のひさしがあるため、試合中には3分の2ほどを出して、日陰を作っています。これに加えて、大会期間中はスポットクーラーをレンタルし、その首振り機能を活用して冷気を循環するようにしています。観客用には、スタンド内の通路に冷気の吹き出し口や大型扇風機が設置されており、そこで休憩していただくようになっています」

Q.選手、観客、審判の熱中症対策は。

竹中事務局長「選手については試合中、ベンチ裏に理学療法士が常駐し、水分摂取の呼びかけや選手の健康状態の見極めを行っています。バックネット裏には医師と看護師が常駐し、選手のプレーの状況を注視しています。

観客向けには、球場内で流す映像やアナウンスで熱中症予防の注意喚起をしています。審判委員は3回と7回に給水時間を、また、5回のグラウンド整備時には、バックネット裏に引き上げ、水分補給と冷気に当たることでリフレッシュしています」

Q.試合中に熱中症症状の選手が出た場合、試合はどのようになるのでしょうか。

竹中事務局長「熱中症の症状が出た場合、ただちに試合を中断して当該選手をベンチ裏に運び、医師と理学療法士による処置を行います。医師の判断でプレー可能とされれば、試合に戻りますが、2度目の症状が見られた場合はプレーを禁止し、選手交代をしています」

Q.過去の全国大会で熱中症による選手、審判、観客などの事故はなかったのでしょうか。

竹中事務局長「選手、審判委員、観客のいずれも過去に重度と診断され、救急搬送された例はありますが、死亡事故には至っていません」

Q.今年からのタイブレーク導入は熱中症対策の側面もあるのでしょうか。

竹中事務局長「タイブレーク制度は選手の健康管理を目標に導入したものですので、熱中症対策の側面もあると思います」

Q.ほかに熱中症や暑さ対策として新しい試みがあれば教えてください。

竹中事務局長「今夏の大会から、学校応援団の熱中症対策としてミストを散布する機械を購入し、必要に応じて散布してもらうようにしています。また、球場内の通路に大型扇風機を多数設置し、少しでも熱中症予防に役立てばと考えています」

「夏の甲子園」が、高校球児はもちろん、応援する生徒や学校、保護者、地域住民、各都道府県出身者などを巻き込んだ国民的行事になっていることは確かです。だからこそ、事故のないよう徹底した対策と、前例にとらわれない見直しが必要な時期かもしれません。

(報道チーム)