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離脱まで2年? 「ブレグジット」がもたらす中長期的影響とは

英財務省は離脱の影響をどのように試算しているのか

 マネースクウェア・ジャパンの西田明弘チーフエコノミストは、まず、「残留」と「離脱」を比較し、「経済面では『離脱』によるマイナス影響の方が大きい」と見ます。その理由としては、EU単一市場に参加することのメリットの喪失▽英国に対する投資の減少▽金融市場としてのロンドンの地盤沈下――などが挙げられるそうです。

 ただ、そうした長期にわたる成長力低下も、英国が今後、EUとどのような関係を結ぶかによって度合いが異なってくるといいます。西田さんが挙げる、英国とEUの新たな関係のパターンは以下の3つです。

<パターン1>欧州経済領域(EEA)に参加する

⇒別名「ノルウェー方式」。ノルウェーはEUに加盟していないが、EUと共にEEAを形成し、EU単一市場に参加している。同じくEU非加盟のアイスランドやリヒテンシュタインもEEAに参加している。

<パターン2>個別に経済協定を締結する

⇒EUに加盟していないスイスのように、EUと個別に経済協定を締結する。

<パターン3>世界貿易機関(WTO)のルールに従う

⇒英国とEUが特定の経済協定を結ばずに、WTOのルールに従う。

 西田さんによると、英財務省は、EU離脱から15年後の自国の経済規模について、上記3パターンのそれぞれと残留した場合とを比較試算。これによると、<パターン1>ならば、国内総生産(GDP)はマイナス3.8%、<パターン2>はマイナス6.2%、<パターン3>はマイナス7.5%、という結果だったそうです。つまり、EU離脱後の英国はいずれにせよ、EUに残留した場合よりも経済規模が小さくなってしまう、と英財務省は試算しているのです。

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西田明弘(にしだ・あきひろ)

株式会社マネースクウェア・ジャパン(M2J)市場調査部チーフエコノミスト

1984年日興リサーチセンター入社。米ブルッキングス研究所客員研究員などを経て、三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社。チーフエコノミスト、シニア債券ストラテジストとして高い評価を得る。2012年9月マネースクウェア・ジャパン(M2J)入社。現在、M2Jのウェブサイトで「市場調査部レポート」「市場調査部エクスプレス」「今月の特集」など多数のレポートを配信するほか、テレビ・雑誌などさまざまなメディアに出演し活躍中。株式会社マネースクウェア・ジャパン(M2J)(http://www.m2j.co.jp)。

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