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松本人志「名誉毀損」で出版社提訴&5.5億円の賠償請求 全額もらえる可能性は? 弁護士に聞いてみた

5億5000万円の賠償請求は認められる?

Q.お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんが、出版社らに対して5億5000万円の損害賠償などを求める訴訟を起こしたと、新聞やテレビが報じました。裁判所が、5億5000万円の損害賠償金の支払いを命じる可能性はあるのでしょうか。

佐藤さん「松本さんが5億5000万円の『慰謝料』の支払いを求めているのであれば、名誉毀損訴訟の慰謝料相場から考えて、全額の支払いが命じられる可能性はないでしょう。

ただし、今回、松本人志さんは週刊誌の記事が出たことにより、芸能活動を休止しています。休業したことによって生じた損害についても請求する場合、週刊誌側が松本さんの休業を予見できたかどうかといった点が争われることになり、高額の請求が認められる可能性はゼロではありません」

Q.今回の松本さんのケースのように、芸能人や政治家の中には、報道内容を巡り、出版社などに対して億単位の損害賠償の支払いを求める人がいます。どのような狙いがあると考えられるのでしょうか。

佐藤さん「慰謝料の金額は、精神的な損害の大きさを表しています。そのため、億単位の慰謝料の支払いを求めるケースでは、それだけ、原告(訴える側)は報道によって傷つけられたのだというメッセージが込められているように思います。

名誉毀損の慰謝料額の相場からすると、報道側は『たとえ訴えられ、裁判で負けたとしても、たくさんの売り上げが見込める記事を出してしまった方が得である』と判断し、記事化する危険もあります。芸能人や政治家が、名誉を毀損されたとして、高額の慰謝料請求をする背景には、『書いた者勝ちは許さない』という強い思いもあるのではないでしょうか」

Q.名誉毀損に関する裁判で、裁判官が高額な賠償金の支払いを命じた判例について、教えてください。

佐藤さん「週刊誌が2007年に大相撲の八百長疑惑を報じたことを巡る、2つの名誉毀損訴訟があり、東京高裁は2件合わせて計4400万円の賠償と、週刊誌への取り消し広告の掲載を命じました。この判決は、2010年10月、最高裁の判決により、確定しました。

ただし、この事案は原告数も多く、2件の名誉毀損訴訟の合計額です。本件において、1人当たりの賠償額の最高額は770万円と報じられています」

(オトナンサー編集部)

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佐藤みのり(さとう・みのり)

弁護士

神奈川県出身。中学時代、友人の非行がきっかけで、少年事件に携わりたいとの思いから弁護士を志す。2012年3月、慶応義塾大学大学院法務研究科修了後、同年9月に司法試験に合格。2015年5月、佐藤みのり法律事務所開設。少年非行、いじめ、児童虐待に関する活動に参加し、いじめに関する第三者委員やいじめ防止授業の講師、日本弁護士連合会(日弁連)主催の小中高校生向け社会科見学講師を務めるなど、現代の子どもと触れ合いながら、子どもの問題に積極的に取り組む。弁護士活動の傍ら、ニュース番組の取材協力、執筆活動など幅広く活動。女子中高生の性の問題、学校現場で起こるさまざまな問題などにコメントしている。

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