英EU離脱「Brexit」は経済にどのような影響を及ぼすか
離脱ならリスク回避の円買い
Q.いよいよ今週23日に迫った英国民投票ですが、「離脱」「残留」のどちらが過半数を占めると予想されますか?
西田さん「かなり拮抗していますが、(希望的観測も含めて)残留派が勝利するのではないでしょうか。経験的には、世論調査の結果と実際の投票結果が必ずしも一致しないケースも多く、態度を決めかねている人は最終的に現状維持を選ぶ傾向があるとの分析結果もあります」
Q.英国は欧州の大国であり、ロンドンは国際金融市場の中心地でもあります。仮に「離脱」が過半数の場合、英国経済にどんな影響を及ぼすでしょうか?
西田さん「英財務省やイングランド銀行(BOE)は、経済にかなりの悪影響が出ると分析しています。離脱ならば不透明感が一段と強まり、リセッション(景気後退)になるとの見方も根強いです。ロンドン市場はニューヨーク市場に匹敵する規模や厚みを持った金融市場ですが、離脱ならば地盤沈下が進むでしょう。その代わりに、フランクフルトなどが欧州市場の中心になるかもしれず、その場合、対英投資の減少や不動産価格の下落が懸念されます」
Q.「離脱」が勝利した場合、金融市場はどのような動きを見せるでしょうか?
西田さん「普通に考えると、ポンドやポンド建て資産(株式、不動産)が売られます。離脱はユーロ圏にも悪影響を与えるため、ユーロも売られるでしょう。一方で、スイスフランや米ドル、円は“逃避通貨”として買われそうです。リスク回避の動きが強まれば強まるほど、円が買われるでしょう。離脱は世界的に不透明感を強めることになるため、英国以外の株式市場も下落しそうです」
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