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子ども連れで外食する親に求められるマナーとは お店選びは? 周囲の大人はどうすべき?

親が心がけるべきマナーとは?

Q.子ども連れで飲食店を利用する時に、親が気を付けるべきことは何でしょうか。

西出さん「子どもが席から離れ、店内を一人で歩いたり走り回ったりすると、他のお客さんにとって迷惑となるだけでなく、料理を運ぶお店の人に接触して料理をこぼしてしまい、けがなどの事故につながりかねません。また、いすの上に立ち上がって遊んだりする行為も危険です。こうしたお子さんの振る舞いを防ぐために、一緒に行く保護者や大人はお店に行く前にマナーとルールを教えておきましょう。この時、お子さんに対して『~しちゃダメ』というだけではNGです。子どもに正しい振る舞いを教えるには『動き回るとお店の人にぶつかって、お店の人も○○ちゃんもけがをしちゃうかもしれないよ』と理由も合わせて伝えるようにすると、NG行為をしなくなる確率が高まります。

また、食後のデザート時やティータイムは、子どもが席でおとなしく過ごすことに飽きたり、疲れたりしているタイミングでもあります。一方、こうした時間は保護者や大人にとって最もリラックスできるひと時であり、お子さんから目を離しがちになってしまうかもしれません。そうした時間でも、子どもが店内を歩き回ったり騒いだりしていないか気を配りましょう。本当は、まだゆっくりとお茶を飲みたくても、お子さんが飽きて疲れた様子を見せていたら、なるべく早めにお店を出るようにすることは、お店や他のお客さんへの配慮であり、お子さんに対するマナーでもあります。子どもを連れて行く時に重要となるのは、子どもさんよりも、一緒に行く大人やその場にいる人達のマナー力なのです」

Q.周囲の大人に求められるマナー力とは、どのようなものでしょうか。

西出さん「小さい子どもであれば、店内で泣き叫んだり、騒いだりする可能性は少なからずあるものです。保護者の方が注意をしても、子どもですから、泣き止まない、走り回ることを止めない、などということもあるかもしれません。場合によっては、一度、外に出てみるなどの対応を余儀なくされることもあるでしょう。

そうした場合、お店の人は大変な思いをしている保護者の方やそのお子さん、他のお客様のこと、お料理のことなどを配慮して、みんながプラスになる接客応対が必要となります。さらに、他のテーブルの人も何かしらの協力をしてくれたら、そのお店は素敵な空間になるのではないでしょうか。いずれにせよ、お子さんの入店をOKとしているお店であれば、互いに思いやりの気持ちを持って、結果的にみんなでほほ笑みながら食事をできる環境にしたいものですね」

(ライフスタイルチーム)

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西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー解説者、美道家

ヒロコマナーグループ代表。一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」代表理事。大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経て、マナー講師として独立。マナーの本場英国へ。オックスフォードにて、オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと2000年に起業し、お互いをプラスに導くマナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績はテレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「龍馬伝」をはじめ、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのドラマや映画、CMのマナー指導・監修者としても活躍中。著書は28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)など監修含め国内外で100冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」(青春出版社)など子どものマナーから、ビジネスマナー、テーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)。
※「TPPPO」「先手必笑」「マナーコミュニケーション」「真心マナー」は西出博子の登録商標です。

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