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ふれあいコーナーで動物の足を踏み、ケガさせる…マナー違反者にはどんな法的問題がある?

動物と触れ合える施設が人気を集めていますが、利用者の不注意やマナー違反によって、動物にケガをさせてしまうケースもあるようです。このような行為の法的問題について、弁護士に聞きました。

ふれあい施設の動物にケガをさせてしまったら…?
ふれあい施設の動物にケガをさせてしまったら…?

 近年、動物と直接触れ合う体験ができるスペースを設けた動物園や公園、カフェが増加しています。抱っこやエサやりを通じて、動物の生態を身近に感じることができるため、子連れの家族やカップルを中心に人気を集めていますが、一方で、「動物の手足を踏んでケガをさせる」「小動物を乱暴に扱う」など、マナーやルールを守らない客によって動物が傷つけられてしまうケースもあるようです。

 SNS上には、被害を受けた施設が利用者へ注意を呼びかける投稿もあり、これについて「信じられない」「動物は人間のおもちゃじゃない」「もしケガさせたらどうなるの?」「賠償すべきだ」など、さまざまな声が上がっています。こうした行為には、どのような法的問題があるのでしょうか。弁護士の藤原家康さんに聞きました。

数百万の損害賠償責任を負う可能性も

Q.施設で飼育されている動物を故意に傷つけた場合、どのような問題がありますか。

藤原さん「民事については、加害者は施設や動物の所有者に対して、損害賠償責任(民法709条など)を負うことになります。

刑事については、加害者に器物損壊罪(刑法261条、法定刑は3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料)、また、動物の種類によっては『動物の愛護及び管理に関する法律』の違反が成立します。同法44条1項は、『愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた場合に、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する』と定めています。ここにおける愛護動物は『牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひる、及びその他の、人が占有している動物で哺乳(ほにゅう)類、鳥類又は爬虫(はちゅう)類に属するもの』を指します(同法44条4項)」

Q.故意ではなく、誤って傷つけてしまった場合はどうでしょうか。

藤原さん「民事については、傷つけてしまったことに過失があることから、加害者はやはり、施設や動物の所有者に対して損害賠償責任を負うことになります。刑事については、犯罪は成立しないと考えられます」

Q.利用者が動物に何らかの被害を与えた場合、施設側はどのような法的措置を取りうるでしょうか。

藤原さん「前述の損害賠償責任に基づき、損害賠償請求をすることが考えられます。また、施設が加害者との間における施設利用の契約を解除し、施設からの退去を求めることもありえます。ほかにも、各施設の利用ルールに沿った措置も取れるでしょう。

損害賠償の額は、主に動物の治療代や、その治療に伴い生じる費用(施設の収入が減少する場合の減少分、他の動物を手配した場合はその手配に要する費用など)によりますが、少なく見ても数百万円、ということもありえます」

(ライフスタイルチーム)

藤原家康(ふじわら・いえやす)

弁護士

東京大学法学部第一類卒業。2001年10月弁護士登録(第二東京弁護士会)。一般民事事件・刑事事件・家事事件・行政事件・破産事件・企業法務などに携わる。日本弁護士連合会憲法委員会事務局次長、第二東京弁護士会人権擁護委員会副委員長などを歴任。中学校・高校教諭免許(英語)も保有する。TBS「ひるおび!」「クイズ!新明解国語辞典」「夫婦問題バラエティ!ラブネプ」、フジテレビ「お台場政経塾」などメディア出演多数。