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色だけじゃない? 「黒ゴマ」と「白ゴマ」の知られざる違いとは

栄養豊富で風味も豊かなことから、食生活のさまざまなシーンで使われる「ゴマ」。ゴマといえば、黒ゴマと白ゴマが代表的ですが、この両者の違いは私たちの想像以上に大きいようです。

黒ゴマと白ゴマ(余慶尚美さん提供)
黒ゴマと白ゴマ(余慶尚美さん提供)

 ご飯のふりかけや一品料理のアクセントなど、さまざまなシーンで使われる「ゴマ」。タンパク質やミネラルなどの栄養豊富なゴマは、日々の食事に取り入れやすく、私たちに最も身近な健康食品と言えます。ゴマといえば、一般的に「黒ゴマ」と「白ゴマ」がありますが、実はこの両者。見た目以外にも大きな違いがあるのです。

黒は「腎」、白は「肺」と関係が深い

 美容コンサルタント・韓方(はんばん)薬膳料理専門家の余慶尚美さんによると、黒ゴマと白ゴマの大きな違いは、その効能にあります。

「経験医学や漢方理論をベースとする『薬膳』の世界では、黒ゴマと白ゴマは役割が大きく異なります。漢方(東洋医学)において、黒(色)と関係の深い『腎(じん)』は、水分代謝機能のほか、生殖機能や老化を司っています。同様に、白(色)は『肺(はい)』との関係が深く、乾燥を嫌う肺を潤してくれると考えられています。つまり、黒い食材は『老化防止』に良いとされ、白い食材は主に『体を潤す』のが得意です。これは黒ゴマと白ゴマにも当てはまります」(余慶さん)

 黒ゴマは、貧血予防や高齢者の耳鳴りなどに効果があります。また、髪に良いとされており、薄毛や白髪が気になる人は毎日ティースプーン1杯分をサプリメント代わりに取るのが有効です。黒ゴマには体を温める作用があり、血流改善にもつながります。

 一方、白ゴマは「潤い」をもたらす効果があるため、乾燥肌や、腸を潤すことによって便秘改善にも役立ちます。体を少し冷やす効果があるのも特徴です。

「ゴマは生のままだと食べにくい上、栄養が体に吸収されにくいため、そのまま排せつされる場合が多いです。そこで、すり潰したものや粉状のものを食べると吸収率がアップし、より効果が期待できます。料理のアクセントにする場合は、ゴマをひと握りして手でつぶしながら振りかけてみたり、すり鉢ですって和え物やドレッシングなどに入れたりしてもよいでしょう。ひと工夫加えるだけで、体への吸収率だけでなく風味もアップし、料理がさらにおいしくなりますよ」

(ライフスタイルチーム)

余慶尚美(よけい・なおみ)

美巡家・ヘアケアリスト(毛髪診断士)・美容コンサルタント・和漢美容家

1970年、鹿児島県生まれ。上智短期大学英語学科卒。広告代理店、外資系企業に勤務当時、自身が重い体調不良に悩んだことから、ココロとカラダの両面をケアする「巡り」に着目。「美巡(びじゅん)」をテーマにメディア出演や講演セミナー、執筆、美容や健康に関する製品・サービスの企画監修、プロデュースを手掛けるなど幅広く活動している。和漢美容や薬膳料理にも精通し、2007年からリンパドレナージュサロン「Flow」を経て、現在はセラピストから活動の場を広げ、ヘアケアリスト(毛髪診断士)としても活躍中。インスタグラム(https://www.instagram.com/yokenao)。

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