若さへの嫉妬?「最近の若者は」と思ったら、年を取った証拠なのか 実体験を聞く
30代前後の社員が、若い社員を見て「最近の若者は…」と思ったとき、「自分も年を取ったかも…」とがくぜんことがあるようです。そう思ったとき、どう向き合ったのか聞きました。
4月に新卒社員を迎えた会社では、新人研修が行われ、新入社員も少しずつ会社の雰囲気に慣れ始めた頃だと思います。新卒社員と関わった30代前後の社員の中には、ジェネレーションギャップに戸惑い、「最近の若者は…」とモヤモヤした気持ちになった人もいるのではないでしょうか。そして、「『最近の若者は…』と思うなんて、ひょっとして自分は年を取ったのかも?」とがくぜんとすることもあるようです。そうしたがくぜんとした思いと、彼らはどのように向き合っているのでしょうか。エピソードをご紹介したいと思います。
「今どきの若いモンは」に憧れたが…
「『今どきの若いモンは』という漫画を読んでいたので、ジェネレーションギャップに対する心の準備はある程度できていました。自分も下の世代ができたら、漫画に登場する課長のようにがんばろうと思っていました」(Aさん・40歳男性)
そう話すのは、スマホアクセサリーメーカーに勤める係長のAさんです。漫画「今どきの若いモンは」は、「今どきの若いモンは…」が口癖の課長が主人公で、部下である若手社員の仕事の悩みに寄り添い、解決していく物語で、実写ドラマ化もされており、部下たちを優しく気遣う課長の様子が人気を集めています。
Aさんもこの課長を見習い、仕事に悩む若手社員に寄り添おうとしましたが、うまくいかないようです。
「ストレートに『今どきの若者は…』と、不満が出てきてしまいます。ただし僕にはその課長というお手本があるので、現実の自分と課長を照らし合わせて適宜修正しながら、後輩たちと接するように努めています。
僕の場合、加齢のサインがメタボや白髪として先に出てきていたので、すでに加齢を受け入れる心構えではありました。ですので、『最近の若者は……』と考えてしまう自分がいることは、『自分が年を取ったサインの一つ』として受け止めています」
自分の中に手本とできる理想像が明確にあると、努力の助けになるに違いありません。
「嫉妬」を認めたくない
母親から指摘されて「最近の若者は…」と気付いた人もいます。
「実家で母とテレビを見ていたときのこと。『現代の若者』といった内容の番組をやっていて、僕がその若者たちについて『甘えている』や、『面白みがない』などの文句を言っていたのです。
すると、母が横から『あんた、そりゃ嫉妬だね』と一言。僕は反発しましたが、母は『あんたもすっかりおじさんになったんだねえ』と、しみじみとしていました」(Bさん・35歳男性)
そのとき、「母親は全く見当外れなことを言っている」と感じたBさん。しかし、すぐに考えが変わったそうです。
「後で考えてみると、嫉妬は確かにあるかもと思いました。嫉妬をしているということは、無意識で『自分がもう若くない』と考えているからにほかなりません。
『そうかあ、俺ももう若くないんだ…』と気付きショックでしたが、その日、晩酌しているうちにどうでもよくなってきました(笑)。自然の摂理には逆らえませんから、受け入れるしかありません」
前に一歩進むためには、「自分は年を取った」に気付いた後、それをいつか受け入れる必要があります。しかし、その受け入れのために要する期間は人それぞれです。Bさんの場合、極めて短い期間でそれが行われたようです。
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