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賃貸住宅入居中に請求される「管理費」や「共益費」 どんなことに使われる?

賃貸住宅の入居中に請求される管理費や共益費は、どのようなことに使われるのでしょうか。専門家に聞きました。

管理費や共益費はどのようなときに使われる?
管理費や共益費はどのようなときに使われる?

 就職や転勤、進学に向けて、今から賃貸物件を探す人も多いと思いますが、不動産会社の物件情報で気になるのが、「管理費」や「共益費」です。物件によっては、毎月の家賃とともに請求されることがありますが、どのようなことに使われるのでしょうか。また、賃貸住宅の入居中に台風や地震などの自然災害が発生して窓ガラスが割れたり、壁に亀裂が入ったりした場合、誰が修繕費を負担するのでしょうか。管理費や共益費の用途や、災害時の修繕費について、不動産コンサルタントの田井能久さんに聞きました。

自然災害による修繕費用は大家が負担

Q.そもそも、アパートやマンションの管理費、共益費は何に使われるのでしょうか。

田井さん「管理費は、賃料の入金管理や集金、借り主のクレームに対応する際の費用、管理人の人件費、清掃に使われる費用などを指します。共益費は、廊下や玄関などの共用部分の電気水道代に使われるのが一般的です」

Q.賃貸物件において、大家と管理会社の役割は。

田井さん「大家はその不動産の所有者で、借り主に居住空間を提供し、その対価として家賃をもらいます。管理会社は大家さんの委託を受けて、その不動産が快適に住めるような維持や管理をしています」

Q.風呂や備え付けのエアコンなど、物件の設備が経年劣化によって故障した場合、修理もしくは新たな設備の購入費用は、誰が負担するのでしょうか。

田井さん「通常の使用による経年劣化の場合は、基本的に不動産の持ち主である大家が負担します。しかし、乱暴な使い方をするなど通常の使い方以外で発生したと思われる故障については、借り主が負担することになります」

Q.では、台風や地震などの自然災害で住宅内の窓ガラスや壁が損傷した場合、修繕費は誰が負担するのでしょうか。

田井さん「台風など事前に被害が予想されていながら、テープなどの補強もせず放置した結果割れてしまった場合は、借り主が『善管注意義務』(通常期待される程度の注意をする義務)違反を問われる可能性はあります。

しかし、そのような特殊な場合を除き、通常は大家が負担し、大家が入っている保険でその費用をカバーするものと考えられます。発生が予測できない地震で割れてしまった場合も同様です。その修繕には、管理費や共益費は使われないと思います」

Q.賃貸住宅の鍵が開けにくくなったため、管理会社に問い合わせたところ、「業者は手配するが修繕費は借り主の負担」と告げられたケースがあります。この場合、本当に借り主が負担しなければならないのでしょうか。

田井さん「入居時、新しい鍵が欲しければ借り主の負担で新品の鍵に交換することが多いように、鍵は『賃貸人の物』という感覚が大家や管理会社側にはあるようです。断言はできませんが、通常は管理費から出すものではないと思います。

ただし、入居前から設置されている鍵をそのまま使い、その後、通常使用していたのに経年劣化によってさびてしまった場合、借り主が負担するものではなく、大家側が負担すべきでしょう。

なお、2020年4月に改正民法が施行されて、賃貸人の修繕義務が緩和されたため、今後、賃借人(つまり借り主)の負担が増える可能性もあります。最近契約をした人やこれから契約する人は、契約内容をしっかり確認する必要があるでしょう」

(オトナンサー編集部)

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田井能久(たい・よしひさ)

不動産鑑定士、ロングステイアドバイザー

大学卒業後、国内最大手の不動産鑑定事務所に勤務し、1995年に不動産鑑定士資格を取得。その後、米国系不動産投資ファンドで資産評価業務を担当し、全国各地でさまざまな物件の現地調査と価格査定を行った。2006年に独立し、タイ・バリュエーション・サービシーズ(http://www.valuation.co.jp/)を設立。海外事業も展開。1000件以上の評価実績を有する。滞在型余暇を楽しむ人に助言する「ロングステイアドバイザー」でもあり、2015年、マレーシアの企業と業務提携。MM2H(マレーシアの長期滞在ビザ)取得アドバイス業務を行い、自身も2018年にMM2Hを取得。

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