事件事故で白骨化した遺体、ひつぎに納めて火葬するのか 費用負担は 疑問への回答
「無事に生き、無事に旅立つ」ことのありがたさ
遺骨の管理も自治体によってさまざまで、骨つぼなどに入った形でほぼ永久的に遺骨を保管してくれるところもあれば、一定期間は保管するものの、期限を越えた遺骨は合祀(ごうし)するといった方針のところもあります。ちなみに東京都では、全国的に見るとまれなパターンですが、初めから、民間に委託という形を取っています。このように一概に言えないのが実情です。
先述した通り、「白骨化した遺体」と一言でいっても、本当にさまざまなケースの話がありますが、お別れができて、納棺して火葬され、納骨される、そんな当たり前のことが無事に行えるのは非常にありがたいことです。見送る側にとっても、旅立つ側にとっても「無事に最後の事が進む」のは何よりも望ましいこと。無事に生き、無事に旅立てるというのはよいことなのだなと思います。
筆者は葬祭業に携わりながら、YouTubeチャンネルを運営し、こうした素朴な疑問に答えていますが、現実は「白骨化した遺体」だけを考えても、単純に答えられるものではありません。一つ一つの小さな、さまざまな違いの中で、実際に行うことは変わります。遺族がいるのか、近い血縁なのかそうでないのか、時間はたっているのか、お金はあるのか…さまざまな違いの中で「弔い」が行われるからです。
とはいえ、こうした話題を通して、「一人一人の命が閉じていく中で、皆それぞれが旅立ちと見送りをされているんだ」ということに目を向けてもらえれば、素朴な疑問に答える意味があると筆者は思うのです。
(佐藤葬祭社長 佐藤信顕)
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