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AKB48・大家志津香さん「握手会で胸の事イジってくるのはキモい」投稿で激論に…ファンの発言はセクハラ?

アイドルが取りうる法的措置は?

Q.このアイドルが取りうる法的措置はどのようなものでしょうか。

鹿野弁護士「まず、当該発言を行ったファンに対してですが、握手会場は『公共の場所』ではないので迷惑防止条例(卑わいな言動)に違反しませんし、1対1の会話であれば『公然性』を欠くので名誉毀損罪も成立しません。刑事上の問題とすることは厳しいでしょう。また、民事上の法的措置に関して、近時の裁判例は『主観的に意に反する性的言動がされたといった事実は、当該行為の違法性の有無を判断する上で重要な一事情であるが、そうした主観的な事情のみでただちに不法行為上違法との評価を受けるものではなく、行為態様やその言動に至った経緯、反復・継続性、両者の関係等の客観的事情を総合し、当該言動が社会通念に照らして許容される限度を逸脱したものと評価される場合に、当該行為は性的自由等の人格権を侵害する違法な行為と評価される』としています。たとえ本人の意に反する言動であったとしても、アイドルとファンという関係における、短時間の一時的な場における悪ふざけ程度の発言であれば、ただちに許容限度を逸脱したとまでは言いがたいことから、民事上も当該ファンに対する不法行為を構成するだけの違法性があったと評価することは困難かと思われます。そこで、事務所に対する責任追及が考えられますが、以前から同様の発言が繰り返しあったにもかかわらず、事務所が防止策を講じなかったような場合においては、職場環境配慮義務等に違反するものとして、損害賠償を請求することは可能と言えるでしょう」

(オトナンサー編集部)

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鹿野智之(かの・ともゆき)

弁護士

1975年生まれ。第一東京弁護士会所属。中央大学法学部卒業。早稲田大学大学院法学研究科(民事法専攻)修士課程修了。IT・通信メディアの企業で法務を専任。在職中、法科大学院(夜間)を経て司法試験合格。外井法律事務所。IT企業の法務出身という経歴を生かし、経営目線で事業の円滑な推進を心がけながら、企業のリーガルサポートを幅広く行う。事務所の強みである労働事件をはじめ、相続問題等にも積極的に取り組んでいる。得意分野は、企業法務(IT法務、労働事件、規約・契約書作成、新規事業立ち上げ支援、コンプライアンス等)。最近は、特に中小・ベンチャー企業の支援に力を入れている。「月刊 人事労務実務のQ&A」(日本労務研究会)に執筆中。

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