オシリの真実! 肛門に出来た静脈瘤? 血まみれの座布団? 便通で解決できる
近著に「オシリを洗うのはやめなさい」がある肛門科医の佐々木みのりさんに「オシリの真実」について聞きました。

「日本人の3人に1人は痔(じ)」と言われています。しかし、オシリの状態は自分で見ることができません。どんなにネットで情報を調べても、自分で症状を把握することはできないでしょう。
今回は肛門科医の佐々木みのりさんに「オシリの真実」について伺います。女性の肛門科医は全国に30人弱と非常に少なく、1998年7月に日本で初めて、女医による肛門科女性外来を開設したことでも知られています。近著に「オシリを洗うのはやめなさい」(あさ出版)があります。
痔の根本治療には何が必要か
「椅子に座って事務仕事をしているとき、何となく、オシリが冷たいなあと思って立ち上がったら、座布団が血まみれだった」「尿もれしたような感覚があり、下を見たら、座布団が血まみれだった」など、痔からの出血にまつわるエピソードはたくさんあるようです。
「今まで全然、症状がなかったのに突然、出血することがあります。しかも、痛みが全くないので自覚症状がありません。いつ出るか予測もできません。仕事中に座布団が血まみれになった患者さんは職場で大慌てして、周りの人には痔だと言えず、生理の出血ということにしてごまかしたそうです。やっぱり恥ずかしくて言えませんよね」(佐々木さん)
「自分が痔であることを自覚している人が多いですが、中には全く痔に気付いていなくて、出血で初めて、痔に気付く人もいます。もう大騒ぎです。がんじゃないか…って心配して来られます。イボ痔(痔核)は徐々に大きくなるので、その存在に気付いていない人も実は意外と多いです。特に内痔核だと、小さなうちは肛門の中に収まっていますから、脱出症状もありません。全く気付かないわけです」
痛みも出血も何の症状もなければ、その存在に気付きません。そして、突然、出血して、その存在に気付くことになりますが、その衝撃はかなり大きいと佐々木さんは言います。
「治療に痔の薬を使うケースが多いですが、便通を直さずに痔の薬だけ使っても根本的な治療にならないため改善しません。そこで、注射療法をすすめられることも多いのですが、便通を直さずに注射療法を受けても、また時間がたつと出血を繰り返すようになります。そのたびに何度も何度も繰り返し、注射療法を受けている患者さんもおられますが、注射療法の思わぬ副作用や後遺症、合併症で苦しむケースもあるわけです」
「うちの診療所では、ジオン注射は行っていません。便通を直したら、翌日から、ピタッと出血が止まって、血が全然出なくなった!という患者さんが多いです。だから、注射療法の必要性を感じません。痔の根本治療は、痔になった原因である便通を直すことだと思っているので、当院ではまず、便通を直すことから始めます。治療の第一歩は正しい排せつからです」
イボ痔(痔核)を放置してもがんにならない
「イボ痔(痔核・脱肛)はがんとは別の病気です。放置してもがんになりません。イボ痔が悪化したら、がんになると心配している患者さんがおられますが、イボ痔はどこまでいってもイボ痔です」
佐々木さんは、このようにイボ痔を解説します。
「大腸にできるポリープのように、大きくなったら、がんになる可能性があるため、小さいうちに予防的に切除してしまおうっていうものではありません! 心配だから、予防的に取りましょう!ってすすめる専門医はいないと思いますよ。ただ、一つ注意してほしいのが、イボ痔がある人は痔に安心して、奥にある直腸がんに気付きにくいということです」
「肛門から出血したら、『あー、またイボ痔から出たわ』と決めつけ、出血を痔のせいにして、検便でひっかかっても、大腸内視鏡検査をすすめられても、痔があることを理由に検査を受けない人がおられます。それを聞いた周りの人が『長い間、痔を放置してたら、がんになった』と思い込み、誤ったうわさを広めてしまうというケースが多いようです」

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