「葬儀マナー」は捏造だらけ 斎場は端を歩く、焼香は指3本…全部うそ?
「焼香は3本指」も誤り?
焼香のやり方についてもそうです。テレビ番組では「焼香は3本指でつままないとマナー違反」と紹介されがちですが、ちゃんとつまめてこぼさないなら、使う指は何本でもいいのです。
「3本指でつまみましょう」というのは「抹香を少量つかむには理にかなっている」というだけで、2本でも間違いではありません。焼香の目的は「お香をつまんで、炭の上でたくこと」ですから、極端な話、指は何本であろうと構わないのです。次から次へと、ありもしないマナーをよく作り出せるものだと思います。
また、「返礼品を受け取るときの言葉は『恐れ入ります』でないとだめ」というのも見受けられます。中には「弔いの場は悲しみの場なので、『ありがとうございます』は使わない方がいい」と説明するマナー講師もいますが、あれは勉強不足なのでしょう。
「ありがとう」は漢字で書くと「有り難う」で、めったにないことに対する感嘆の言葉です。葬儀に参列して会葬の返礼品を受け取り、「これほど丁重にお気遣いいただき、喪主さま、ご遺族の皆さまのお気持ちは誠にありがたいことと存じます」という“まれなこと”というニュアンスです。慶弔どちらにも使えるのが「ありがとうございます」という言葉なのです。
ちなみに、受付時と同様、黙礼でも構いません。葬式の場で「何か言わなければいけない」のは喪主のあいさつだけです。地域ごとのやり方などがあるので、ご自身の地域の葬儀屋さんに聞いてみるとよいでしょう。快く教えてくれると思います。葬儀に参列する際は早めに行って、葬儀屋さんに話し掛けてみてください。
問題は番組の制作体制
テレビ番組での葬儀マナーは監修を行うマナー講師もいるのに、なぜ、こんなことになってしまうのでしょうか。その理由は番組の制作体制にあると思います。
一つは制作会社が1コーナーずつ分担し、どんなセット、どんな編集でやるかをあらかじめ企画して、撮影・編集していること。そして、もう一つは番組に名前の出るマナー講師が大抵の場合、「経験が十分そうな、きれいめの女性」が相場で、象徴的存在として採用されているだけで、中身には口出しさせてもらえないことがよくあるからです。
筆者もテレビ局や制作会社からのオファーが年に何回かあるのですが、ここまで述べたような「本当のこと」を言うと、面白おかしい番組を作りたいという制作側の意図と違ってしまい、使ってもらえないのが実情です。ネタ出しに協力するだけで、出演まで行くことはまれです。
葬儀のことをよく分かっていないディレクターとADが「僕ら、あまり葬儀のこと分からないです」「何かいいネタないですかね?」とやってくるのは、20年前から変わらない風景です。
葬儀のことはマナー講師よりも、「業歴○年、現場のトップ」のような人を取材・起用した方がいいでしょう。マナーの変化や運用、イレギュラーな出来事も、そのような人の方が引き出しを持っていることが多いからです。ちなみに、筆者も10歳になる前から葬儀の手伝いを始め、長い現場経験があります。マナー講師や取材元が話す内容が本当なのか裏を取りたいときは喜んで協力します。
(佐藤葬祭社長 佐藤信顕)

先火葬。後火葬。
どちらかが正しくて、どちらかが間違っているわけではありません。
ドライアイスの無かった時代は、先火葬。
今みたいに、ドライアイスが当たり前のように使われるようになってきて、後火葬が行われるようになってきたのです。
コロナ禍で御斎が省略されると、先火葬だった地域も、後火葬になって行くでしょう。
お焼香。
二本指で摘み、中指は添えるだけでいいのです。