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子どもの「キャラクターものの服が着たい」を突っぱねる親、単なるエゴ?

子どもが「キャラクターものの服を着たい」と親に求めてくることがありますが、「センスがよくない」などの理由で着せたくない親もいます。子どもに諦めさせるのは、親のエゴなのでしょうか。

子どもがキャラ服を欲しがったら…?
子どもがキャラ服を欲しがったら…?

 未就学児の中には、テレビのアニメ番組やヒーロー戦隊番組に出てくるキャラクターに憧れ、キャラクターがプリントされた服を着たいと親に求める子がいます。しかし、「センスがよくない」「安っぽい感じがして嫌だ」などの理由で、子どもにキャラクターものの服を着せたくないと考える親もいるそうです。子どもが「キャラクターものの服を着たい」と言ってきたとき、子どもに諦めさせるのは親のエゴなのでしょうか。子育てアドバイザーの雨宮奈月さんに聞きました。

「拡張自己」の考え方

Q.キャラクターものの服を子どもに着せたくないと考える親もいるそうです。なぜ、そのように考える親がいるのでしょうか。

雨宮さん「服装には『自分がどう見られたいか』という象徴の機能があります。そして、子どもの服装についても、親自身が自分の象徴の延長線にあり、自分を表現するものと考えてしまうことがあるからです。このような考え方を『拡張自己(Extended self)』といいます。

例えば、デザイン重視の服を選ぶ親は、子どもの服装にもデザインを重視した服を選びたいと思うでしょうし、コストパフォーマンス重視の親は、使い勝手や着心地と値段とのバランスを重視するでしょうし、自分を表現することが目的のオンリーワンのファッションを好む親は、大量生産されたと分かる子ども服は好まないでしょう。それらと同様、キャラクターものの服を着せたくない親は『デザインが好みじゃない』『自分の個性ではない』と自分の価値観をあてはめて、子どもが欲しがる服を避けることがあると思います」

Q.子どもが「キャラクターものの服を着たい」と言ってきたとき、子どもに諦めさせるのは親のエゴなのでしょうか。

雨宮さん「子どもが嫌がっている服を無理やり着させるのは親のエゴですが、子どもに諦めさせるのは親のエゴだとは思いません。子どもが着たいと言っている服を買うか買わないかは、最終的には親の価値観で決めればよいことだからです。

ただし、親が着せたくない理由と子どもが着たがる気持ちとをてんびんにかけて、その都度判断すべきです。つまり、親の価値観をベースとしつつも、子どもの希望にも耳を傾けてほしいのです。例えば、他人からは見えない下着だけなら、このデザインなら、この機能性なら、特別な機会ならなど、親の価値観から譲歩してもよいと思えるポイントがあれば、そのポイントに合致したキャラクターものの服を購入し、着せてあげればよいと思います」

Q.ネット上には「センスのよさ、質のよいものの選び方は親が子どもに伝授しなければいけない」との考えから、服選びも親の価値観のみで決めることを正当化するようなコメントがあります。こうした考えで子どもに接することをどのように思われますか。

雨宮さん「先述したように、服を買うのも選ぶのも最終的には親の価値観で決めればよいのですが、一方で、子どもの希望にも耳を傾け、親の価値観から譲れるところは譲るべきだと思います。子どもにとっても、ファッションは自己表現ツールの一つであり、何を最優先とするのかはその子どもの価値観です。明るい色が好き、派手な色は恥ずかしい、汚しても親に叱られない服がいい、友達に自慢できる服がいいなど、子どもも服装に『アイデンティティー(自己同一性)」を見いだしていきます。それは成長とともにどんどんと変化していくものです。

服選びに限らず、子どもの気持ちを無視しないであげてほしいと思います」

Q.では、子どもが「キャラクターものの服を着たい」と言ってきたとき、具体的に親はどのように対応するのがよいのでしょうか。

雨宮さん「まずはなぜ、キャラクターものの服を着たくなったのか、子どもに理由を聞いてください。そのキャラクターが好きだからでしょうか。友達が持っていて、うらやましいからでしょうか。それとも、テレビCMなどで購買意欲をかき立てられたからでしょうか。

理由を聞いてから、子どもの年齢にもよりますが、服の見た目や機能、目的などの価値観を子どもと話し合ってみましょう。そして、子どもの着たい服を選ぶ際に親の価値観を最優先するのか、子どもと相談して、お互いに譲歩して選択していくのか、子どもの希望をすべてかなえてあげるのか、それぞれの家庭のいつも通りの『子育てルール』で考えてください」

(オトナンサー編集部)

雨宮奈月(あめみや・なつき)

教育・子育て心理アドバイザー

IQとEQを育てる総合学習教室HEC Kids Educationを主宰。コミュニケーション能力とロジカルシンキングを伸ばす英語コース、知開コース、表現コースをオリジナルのメソッドで指導。子どもの英語劇やミュージカルをプロデュース。子育てや学習の環境を「丸ごと指導」するカウンセラーでもあり、米国で幼少期を過ごした帰国子女、3児の母でもある。HEC Kids Education(https://heckidsedu.com)。

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