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無気力から一転 ひきこもり長男が「家計簿」「自炊」で取り戻した生きる力

再び母親から連絡が…

 母親とのやりとりから2カ月がたった頃、再び、母親から連絡がありました。筆者の提案を受け入れた長男は、自炊にもチャレンジするようになったそうです。まずは母親の横で料理を手伝うことからスタート。横で見ていた母親は、長男が包丁で手を切ってしまわないかひやひやしたそうですが、それでも何とか、いろいろな食材を切れるようにまでなりました。

 ある程度のスキルを身に付けた長男は1人でカレーを作り、両親に振る舞ったそうです。両親から、「とてもおいしい。よくできたね」と褒められ、少し照れながらもうれしそうにしていたとのことです。そのことがきっかけで、長男は「自分の目で食材を選びたい」と言いだし、母親と一緒にスーパーに買い出しに行くようにもなりました。外出する機会も増え、気分転換にもなっているようです。

 母親は最後に次のように締めくくりました。

「今までの長男は無気力で表情も乏しかったのですが、家計簿をつけたり、料理をしたりするようになって、少しずつ、生きる力を取り戻しつつあるように感じます。どうやら、先生のアドバイスは素直に聞いてくれるようなので、これからもどうぞよろしくお願いいたします」

 母親の報告から、自信を取り戻しつつある長男の様子が伝わってきて、筆者はうれしく思いました。

(社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 浜田裕也)

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浜田裕也(はまだ・ゆうや)

社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

2011年7月に発行された内閣府ひきこもり支援者読本「第5章 親が高齢化、死亡した場合のための備え」を共同執筆。親族がひきこもり経験者であったことから、社会貢献の一環としてひきこもり支援にも携わるようになる。ひきこもりの子どもを持つ家族の相談には、ファイナンシャルプランナーとして生活設計を立てるだけでなく、社会保険労務士として、利用できる社会保障制度の検討もするなど、双方の視点からのアドバイスを常に心がけている。ひきこもりの子どもに限らず、障がいのある子ども、ニートやフリーターの子どもを持つ家庭の生活設計の相談を受ける「働けない子どものお金を考える会」メンバーでもある。

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