入退室はいつ? 服装は? 商談が成功する「オンラインミーティング」のマナー【新時代のビジネスマナー】
ウィズコロナ時代にふさわしい新しいビジネスマナーについて、各界で活躍するビジネスパーソンを育成してきたマナーコンサルタントのマナー西出ひろ子さんが解説します。

新型コロナウイルスにより、テレワークが常態化するなど、これまでのビジネスの常識が大きく変化した現在。人々の働き方がガラリと変わった今、ビジネスシーンにおいて、どのような振る舞い方をすればいいのか模索している人も多いと思います。
この連載では、ウィズコロナ時代にふさわしい新しいビジネスマナーについて、企業のコンサルティングに入り、各界で活躍するビジネスパーソンを育成してきたマナーコンサルタントのマナー西出ひろ子さんが4回にわたって解説します。最新刊に「入社1年目の教科書 ビジネスの基本とマナー」(3月2日発売)があります。
今回のテーマは、入退室のタイミングや印象の与え方が難しい「オンラインミーティング」です。
環境を整えて安心材料を増やしておく
オンラインミーティングが一般化したとはいえ、自宅は必ずしもミーティングに適した環境ではありません。可能な限り懸念材料をなくしておくため、まずは以下のような環境づくりができているかチェックしましょう。
・インターネットは有線で
無線LANより有線LANの方が安定します。画面がフリーズしたり、音声が途切れたりする心配を減らせます。
・パソコンの状態に注意
パソコンのデータ容量を使いすぎていると、インターネットにも影響します。普段の作業ついでにパソコンの状態も確認を。
・カメラやマイクをそろえる
オンラインミーティングにカメラとマイクは必須。オンラインミーティングが始まる前に、カメラの写り方や音声の調節の仕方を確認しておきましょう。
・電源を確保しておく
ノートパソコンの場合はバッテリー切れに注意。たっぷり充電しておくか、電源につないでおきましょう。
これらは基本的なことばかりで「こんなこと!?」と思われたかもしれませんが、慣れてきたときについ、「やってしまった…!」の「まさか!」という事態は発生するもの。基本を大切に、基本に忠実に、と見直すことも大切です。
・カメラの位置を調整する
カメラの位置は「目線の高さよりやや上」にすると印象がよく見えます。外付けのカメラは調整が簡単ですが、パソコン搭載カメラは台などを使ってレンズの位置を調整すると、顔が真正面に映り見栄えがよくなります。
また、自宅からの仕事では、情報漏えいや守秘義務などの観点もビジネスマナーの一環として、しっかり心得ておきましょう。
身だしなみや表情も対面とは違う工夫を
環境づくりが万全にできたら、いよいよ本番。身だしなみの基本は「仕事中」という状況においては、オフィスにいるときと同様に大切です。ただし、テレワークでは、オンライン会議の相手が社内の人か、社外の人なのかによって変わりますね。さらには、業種や職種、会社のカラーによっても変わることでしょう。悩んだときは、それぞれにふさわしい身だしなみについて上司や先輩に相談し、社内でガイドラインを作成すると安心です。
また、服装は明るい色がおすすめです。顔映りがよくなり、相手も明るい気持ちになれるでしょう。ただし、背景の色とのバランスや調和次第では、暗い色の方が生える場合もあるので臨機応変に対応しましょう。ビジネスマナーは「絶対的にこうでなければいけない」ということはありません。
オンラインミーティングでよい印象を与え、かつ、相手に伝えたいことが誤解なく伝わるようにするには、表情や手ぶり身ぶりを使いこなすことも大事です。下記のポイントをチェックしてください。
・緊張で硬い表情になっていないか
・こわばった怖い表情になっていないか
・目はほほ笑んでいるか
・無愛想、無表情になっていないか
・画面に対して顔が大きすぎないか、または小さすぎないか
・反応をうかがう際は首を前に出したり、首を15度ほど傾けたりする
・口を大きく動かしているか
・相手と同じ動作をする「ミラーリング」で安心感を与える
対面の場合、人は無意識に、その場の空気やちょっとした表情の変化からたくさんの情報を読み取っているものです。しかし、オンラインミーティングでは、相手の姿は見えるものの情報量が少ない状態。相手が社内の人でも社外の人でも、対面とは違った配慮の表現を心がけましょう。
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