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5人以上はダメでは…? 菅首相ら8人会食、コロナ感染対策に悪影響は出ない?

帰省や初詣、どうする?

Q.西村大臣は12月23日、首都圏からの帰省について慎重に検討するよう呼び掛けました。年末年始の帰省や初詣は控えた方がいいのでしょうか。もし、帰省や初詣をする場合、どのような対応が必要でしょうか。

森さん「帰省も初詣もそれ自体が感染リスクを高めるのではなく、一時期に人が集中することや、帰省や初詣に伴う行動によってリスクが高まります。感染拡大している地域からの帰省であれば、延期を含めて慎重に検討することが望ましいですが、さまざまな事情や、夏に帰省がかなわず、『家族の顔を見たい』『孫の顔を見せたい』といった思いから帰省する人もいると思います。

もし、年末年始に帰省を考えている場合は、帰省予定日のおよそ2週間前からの行動を振り返って、感染リスクの高い場面がなかったか思い出し、体調に変化がないことを確認してください。その上で、家族単位で車移動したり、公共交通機関であれば、混雑しない日や時間帯を選んだりといったことが大切になります。

帰省先では、家の中でも常にマスク着用を心掛け、高齢者など重症化リスクが高い人がいる場合は、宿泊や食事を別にすることも必要です。大人数が集まる会食、久しぶりに会う人たちとの会食は避け、マスク着用、手指消毒、『3密』の回避など基本的な感染対策を徹底しましょう。

初詣は、人が少ないタイミングで地元の神社を家族で参拝することはそれほど問題ないと思います。しかし、参拝客が密集した状況で長時間並んだり、参拝の前後に新年会をしたりといった行動は感染リスクが高くなるため、避ける必要があります」

Q.今後も感染予防の意識を維持するために、どのようなことを心掛けるべきでしょうか。

森さん「感染拡大している地域では特に、誰がいつ感染しても不思議ではない状況が続いています。20代、30代では無症状や軽症が多いと伝えられていますが、中には味覚や嗅覚が戻らなかったり、頭痛や倦怠(けんたい)感が続いたりといった後遺症が出る人がいることも分かっています。また、軽症者の容体急変も相次いで報告されていて、どの世代の人も注意が必要な感染症です。『自分が感染しないこと』『誰かに感染させないこと』を『自分事』として捉えることがまずは大切です。

ワクチンへの期待が高まっていますが、元のような日常に戻ることはしばらく難しく、社会・経済活動を続けながら、感染が拡大したり、落ち着いたりすることを繰り返すと思われます。だからこそ、過剰に緊張感を持つのではなく、基本的な感染対策を心理的な負担なく継続することが各個人に求められます。『しばらくは新型コロナウイルスと付き合っていく』という覚悟が感染防止意識の持続につながると思います」

(オトナンサー編集部)

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森まどか(もり・まどか)

医療ジャーナリスト、キャスター

幼少の頃より、医院を開業する父や祖父を通して「地域に暮らす人たちのための医療」を身近に感じながら育つ。医療職には進まず、学習院大学法学部政治学科を卒業。2000年より、医療・健康・介護を専門とする放送局のキャスターとして、現場取材、医師、コメディカル、厚生労働省担当官との対談など数多くの医療番組に出演。医療コンテンツの企画・プロデュース、シンポジウムのコーディネーターなど幅広く活動している。自身が症例数の少ない病気で手術、長期入院をした経験から、「患者の視点」を大切に医師と患者の懸け橋となるような医療情報の発信を目指している。日本医学ジャーナリスト協会正会員、ピンクリボンアドバイザー。

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