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仕事をせず親に暴言…30代ひきこもり次女の心を開く母親の“共感”アプローチ

価値観の押し付けに気付く

 面談から数日後、母親から、「演習にチャレンジしてみたい。夫も協力してくれるので、夫婦で頑張ってみます」という連絡がありました。

 そこで、筆者は初回の演習シートを母親にメールで送り、まずは1カ月間、シートに記入してもらうようお願いしました。演習を始めてから1カ月が過ぎた頃、母親はメールでの連絡で次のように振り返りました。

「いつも、長女と比べてしまい、『次女は劣っている』という態度で接してきた自分に気付き、がくぜんとしました。今まで、親の価値観を押し付け過ぎていたということにも気が付きました。それによって、次女は深く傷つき、拒絶反応を示していたのだと思います。次女は次女なりに苦しみながら頑張って生きてきたのに…今後は次女への小言や苦言を控え、次女の気持ちをより深く理解するようにしたいです」と決意を新たにしていました。

 母親は最後にこう締めくくりました。

「私の接し方が変わったためか、次女にも少しだけ変化が表れたようです。とげとげした態度が幾分、和らいだように感じます。次女との関係が改善できたら、将来のお金の見通しについても話し合いたいと思います。時間はかかるかもしれませんが、次女のペースに合わせていきたいです」

(社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 浜田裕也)

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浜田裕也(はまだ・ゆうや)

社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

2011年7月に発行された内閣府ひきこもり支援者読本「第5章 親が高齢化、死亡した場合のための備え」を共同執筆。親族がひきこもり経験者であったことから、社会貢献の一環としてひきこもり支援にも携わるようになる。ひきこもりの子どもを持つ家族の相談には、ファイナンシャルプランナーとして生活設計を立てるだけでなく、社会保険労務士として、利用できる社会保障制度の検討もするなど、双方の視点からのアドバイスを常に心がけている。ひきこもりの子どもに限らず、障がいのある子ども、ニートやフリーターの子どもを持つ家庭の生活設計の相談を受ける「働けない子どものお金を考える会」メンバーでもある。

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