不祥事起こした芸能人、警察署前での謝罪が会見代わりになった?
好感を得た謝罪会見も
Q.逮捕されなくとも、例えば、不倫などの不祥事を起こした芸能人が謝罪会見を行うことが激減しています。謝罪会見は必要なくなっているのでしょうか。
山口さん「謝罪会見は本来、不祥事を起こした芸能人が記者に声をかけて行うものなので、必要なくなることはないと思います。しかし、芸能人の中には『一般人であれば、ニュースにもならないことで、なぜ、見せしめにされるのか』『謝罪会見をすれば、悪意ある報道が拡散するだけだから、バッシングは覚悟で謝罪会見はしない』『謝罪はSNSで行えば十分』などと考える人たちが増えているようです。多くの謝罪会見の惨めな結果を見て、このような感想を抱いたり、決心をしたりするのだと思います。
一方、国民が好意的に受け取る謝罪会見もあります。アイドルグループ・TOKIOの元メンバー・山口達也さんの不祥事に関して、2018年5月2日に他のメンバー4人が開いた謝罪会見を受けて、福島県はTOKIOのポスターを4人のメンバーで撮り直すことにしたそうです。2019年7月20日に闇営業問題で謝罪会見を行ったお笑いコンビ・雨上がり決死隊の宮迫博之さんと、ロンドンブーツ1号2号の田村亮さんに対しては『よく言った』『歴史に残る会見』などネットで応援の声が上がりました。
芸能人の不倫会見については興味深いアンケート結果があります。2018年1月に『ORICON NEWS』では、不倫会見が必要かどうかについて、10代から50代の男女計1000人の一般ユーザーに意識調査を実施しました。その結果、『行うべきだと思う』が15.1%、『行うべきではないと思う』が33.9%、『どちらともいえない、わからない』が51.0%でした。
『関わりのない第三者がとやかく言う問題ではない』『社会や世間への謝罪は必要ない』『うんざりだ』との否定的意見が多くあったそうです。不倫などの不祥事の謝罪会見が減っているのは国民感情を反映しているのかもしれません」
Q.不祥事を起こした芸能人は数カ月から数年の一定期間、テレビから姿を消しますが、いずれは芸能界に復帰したいと考える人も多いと思います。謝罪会見は不祥事の“けじめ”でもあると思いますが、そうしたけじめがなくなると、復帰の機会も失われ、芸能人にとってもデメリットではないでしょうか。
山口さん「先述したように、謝罪会見は不祥事を起こした芸能人が記者に声をかけて行うのが本来の姿です。会見を開き、けじめをつけたいと芸能人が思えば、実施はほぼいつでも可能だと思います。
謝罪会見を行わないと、マスコミからたたかれ、国民から復帰の機会が失われるほど激しいバッシングを受けるかもしれないという恐れを抱き、嫌々ながら会見を開いた芸能人もいたと思います。今や誰でもネットを使いこなせる時代です。不祥事の内容によっては記者会見にこだわらず、SNSも含めた最善の手段で、国民が納得する謝罪と説明をすればよいと思います」
(オトナンサー編集部)
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