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一日中布団の27歳ひきこもり長男、家族に立ちはだかった年金請求の壁

専門家に依頼することも可能

 父親は母親に視線を軽く向けた後、筆者に向かってこう言いました。

「せっかく、ご説明をしていただいたのですが、やはり、私たちで『病歴・就労状況等申立書』を記入することは難しいと感じています。そのため、この書類は先生に作成をお願いしたいと思っています。それでもよろしいでしょうか?」

「はい、全然構いませんよ。それでは、私の方でしっかりとした書類を作成しますね」

「では、報酬はおいくらぐらいでしょうか?」

「そうですね。通常なら、報酬は障害年金の2カ月分になります。仮に、ご長男に障害基礎年金が支給されたとすると、2カ月分は13万円になります。しかし、今回は請求の一部をお手伝いさせていただくだけなので3万円でどうでしょうか?」

「分かりました。その金額でお願いいたします」

 最後に筆者は両親に提案しました。

「ちなみに、その他の必要書類は記入済みですか? もし、まだなら、この場で記入しましょうか? 書き方は私がお教えいたしますよ」

「いいんですか? それはすごく助かります」

 筆者の提案に、両親はほっとした表情を見せました。

(社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 浜田裕也)

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浜田裕也(はまだ・ゆうや)

社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

2011年7月に発行された内閣府ひきこもり支援者読本「第5章 親が高齢化、死亡した場合のための備え」を共同執筆。親族がひきこもり経験者であったことから、社会貢献の一環としてひきこもり支援にも携わるようになる。ひきこもりの子どもを持つ家族の相談には、ファイナンシャルプランナーとして生活設計を立てるだけでなく、社会保険労務士として、利用できる社会保障制度の検討もするなど、双方の視点からのアドバイスを常に心がけている。ひきこもりの子どもに限らず、障がいのある子ども、ニートやフリーターの子どもを持つ家庭の生活設計の相談を受ける「働けない子どものお金を考える会」メンバーでもある。

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