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企業不祥事で株価下落、個人株主が起こせる訴訟の仕組みとは

もう1つの訴訟「株主損害賠償請求訴訟」

 株主代表訴訟とは異なり、「自分が損害を被ったので、自分に賠償してください」(八代さん)というのが、金融商品取引法などに基づく「株主損害賠償請求訴訟」です。これは企業の「有価証券報告書等の虚偽記載」に関する制度で、企業の粉飾決算が発覚した時などに利用することができます。

 例えば、ある会社の株式を「1000円」で購入した株主がいるとします。その後、会社が粉飾決算をしたことが発覚したため、株価が「500円」に下落してしまった場合、株主は差額の「500円」の補償を求めてこの株主損害賠償請求訴訟を起こすことができます。

 現在まで株式を持っている株主の場合、取得時の株価と現在の株価の差額が、すでに株式を処分してしまった株主の場合は、取得時と処分時の差額が請求額の上限として認められます。

 株主損害賠償請求訴訟において、被った損失を取り戻すことができれば、訴訟を起こした意味があったと言えるかもしれません。しかし、そうは言っても、訴訟には着手金、報酬金などの弁護士費用や印紙代が必要になることも忘れてはいけません。

 八代さんは「一般論」と前置きした上で、「損失が数万円~数十万円であれば、訴訟を起こす意味があるのか、ということになります」と話しています。

(オトナンサー編集部)

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八代英輝(やしろ・ひでき)

国際弁護士

国際弁護士。

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