オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

企業不祥事で株価下落、個人株主が起こせる訴訟の仕組みとは

株主代表訴訟

 企業不祥事による株価の下落などで、損失を被った個人株主が提起できる訴訟の1つに「株主代表訴訟」があります。先日、東芝の不適切会計を巡って、奈良県に住む60代の個人株主の男性が東芝の現旧役員約10人について、この株主代表訴訟を起こす方針であると伝えられました。

 報道によると、男性が求めた損害賠償請求額は総額80億円規模になる見通しといいます。それでは、仮に男性の訴えが認められた場合、このお金は男性のものとなるのでしょうか。

 答えは「ノー」です。株主代表訴訟は、会社の役員などが会社に損害を生じさせた場合などに、その責任を追及する訴訟を株主が会社に代わって起こすものです。株主代表訴訟が認められる理由は、会社が身内意識から、(元)同僚に対する訴訟をためらう可能性があるためとされています。

 つまり、株主代表訴訟は株主が会社の代わりに訴訟を起こしたに過ぎず、仮に賠償金が得られたとしても、そのお金は株主ではなく会社に支払われることになります。株主にとっては、損失が“間接的に”補償されるに過ぎないのです。

 ちなみに、この80億円という金額ですが高いのでしょうか、安いのでしょうか。国際弁護士の八代英輝さんは「日本を代表するトップメーカーの東芝が長年、会社ぐるみで不正経理をしていたわけですから、非現実的な額ではありません」と話します。

1 2 3

八代英輝(やしろ・ひでき)

国際弁護士

国際弁護士。

コメント