「喪主」は誰でも務まる、メディアの情報で不安になることなかれ
喪主は複数人でもいい?
「喪主と『施主』はどう違うの?」という声もあります。
最近では喪主と施主を兼ねることが多いですが、喪主がCEOだとしたら、施主は最高執行責任者(COO)、つまり支払いの責任を持つ立場の人です。ほとんどの場合、葬儀代金は故人の財産や預貯金、保険金などで支払われるので、特にやることがあるわけではありません。喪主が葬儀のCEOなら、施主はCOOだと思っておけばよいでしょう。
さて、インターネットのサイトなどを見ると、「喪主は複数人で務めても構いません」と書いてあることが多いですが、喪主は「あるじ」ですから、原則1人です。
「どうしても名前を連ねたい」「兄弟で平等にしたい」という希望があるときは複数人にする場合もありますが、運用で柔軟に受け止めているだけで、原則は1人の方が望ましいです。家族の意見が分かれたとき、最終的に決める人間は1人に絞った方が話をまとめやすいですし、決定に伴う責任の所在が明らかになるからです。
儀礼ごとにおいては「原則と運用」で動いている側面があるので、原則がある上で、程よく崩して運用した方がうまくいく場合もあります。例えば、「喪主を務めるのは長男が本来だが、同居して面倒を見てくれた次男を喪主として連ねたい」という場合には、運用で“2人喪主”にすることがまれにあります。
同様に「高齢の配偶者が存命だが、認知症で葬儀には出られない」といった状況のとき、誰が喪主を務めるのかが問題となるでしょう。これも、家族でのケース・バイ・ケースです。そのまま子どもが喪主を務めることもありますし、「せめて名前だけは母を喪主にしてあげたい」という場合は、参列はできなくても喪主は母にして、実務は長男などが「喪主代理」として行うケースもあります。
「次は何を?」と聞きながら進める
喪主を務めることに対して不安になる原因は、全体像が見えないからではなく、「次にやること」の段取りが見えないからです。
これは葬儀社としての経験上言えることですが、「何からやっていいか分からない」という不安を口にする喪主さんは結構います。その喪主さんに対して、全てをいっぺんに話しても、把握し切れないこともあります。
葬儀を無事に行うためには、「世話役」や「葬儀社」が代わりに全体像を把握して、やることの順番を提示すれば安心できます。仮に30個決めることがあったとしても、優先順位が分かっている人に助けてもらいながら決めていけばよいのです。
「葬儀屋さん、次は何をすればいいの?」は便利な言葉です。葬儀社を上手に使い、頼りにしていけば、特に不安なく喪主を務めることができます。
(佐藤葬祭社長 佐藤信顕)

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