コロナ禍の入社シーズン マナー講師の私が新社会人に伝えたいこと
ビジネスマナーは心と形の両輪で
新入社員研修のメインともいわれてきたビジネスマナーは、心と形の両輪をバランスよく身に付けることが大事です。それは、その後の社会生活や仕事生活で、スムーズな人間関係やコミュニケーションを取れる人として周囲にかわいがられ、結果を出せる人財に成長する礎となります。
そういう指導をするマナー講師自身に、まずはビジネスマナーが身に付いていなければ本末転倒ですが、「○○会社様御中」「●●先生様」などと書いたり、「△△株式会社」「株式会社□□」と、前株と後株の違いを分かっていない、領収証の書き方を知らないマナー講師も実在します。正しい「型」を熟知したマナー講師だからこそ、心の重要性や人間力も伝えることができるのです。
仕事が減少したとき、その分時間ができます。こういうときにこそ、自分を見つめ直し、その道の専門家としての知識をさらに身に付け、ブラッシュアップするかしないかで、その後の明暗が決まります。もちろん、筆者自身もそうです。
飲食店のアルバイトで閉店を余儀なくされ、収入の見込みのない人たちが「互いに協力して頑張ろう」などとSNSでメッセージを発信なさっている姿に、敬服、感服の気持ちでいっぱいになります。同時に、元気も頂きます。さらには、感染者の方が実体験を公開し、感染拡大予防につながる行動を考えさせてくださっていることにも頭の下がる思いです。改めて、日本はマナーのある人が多いことに敬意を表したいと思います。
入社式や新入社員研修が中止となり、入社はしたものの、いきなり自宅待機の指示。今後の社会生活に不安を抱えている新入社員も多いと思いますが、どうか自分一人ではないということを肝に銘じてほしいと思います。この思い、考え方は、会社の一員として社会に出て仕事をするときも必須で基本の考え方です。
本やeラーニングなどで、ビジネスマナーの「型」を学ぶことも大事なことですが、それ以前のマナーの本質である「相手の立場に立つこと」「相手の立場に立てる自分作り」、そして、相手と自分が「Win-Win」「プラス-プラス」の関係を創造することの大切さを理解することで、社会人生活への活路が見いだせるのです。
(マナー評論家 マナー西出ひろ子)
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