「紫」はなぜ“高貴さ”をイメージさせる色なのか
皆さんは「紫」という色にどのようなイメージをお持ちでしょうか。「派手」「神秘的」「エキゾチック」……さまざまあると思いますが、紫といえばやはり「高貴」でしょう。紫はどうして“高貴”なのでしょうか。
皆さんは「紫」と聞くと、どのようなイメージを持たれるでしょうか。紫色の洋服などには「派手」という印象があるかもしれません。また、どことなく「神秘的」で「エキゾチック」な雰囲気を想像する人もいるでしょう。
しかし、紫といえば、やはり「高貴」というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。オトナンサー編集部では、カラー&イメージコンサルタントの花岡ふみよさんに、「紫」が「高貴」と結びつきやすい理由について聞きました。
冠位十二階で最上位の色は「紫」
日本においては、聖徳太子が定めた「冠位十二階」の制度において、「紫」が最上位の位階を示す色であったことから、その貴重さがわかります。また、合成染料や合成顔料がなかった江戸時代まで、衣類を紫色に染めるには、貴重な紫草の根が大量に必要であったため大きなコストが必要とされました。
紫は英語で「purple」ですが、その語源は、ラテン語で巻き貝の一種を意味する「purpura」です。この貝の出す分泌液は染色の材料として使われ、その色についても「purpura」と呼ばれていました。分泌液は希少で、これを使って紫色に染めた衣類も高級であったため、ローマ帝国などでは高貴な身分の人だけが身につけることができました。
花岡さんによると、日本でも西洋でもこうした歴史があることから、紫というと“高貴”なイメージに結びつきやすいのです。
ちなみに、お寿司屋さんで「紫」は「しょう油」を意味しますが、これは江戸時代に、しょう油が塩の8倍も高い値段であったことから、「貴重なもの」の代名詞である紫を、しょう油を表す言葉として使ったものだそうです。
ただし、しょう油が大衆的な存在になるにつれて、紫という呼び方もされなくなりました。
(オトナンサー編集部)
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