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外で見知らぬ人に子どもが触られた…感染症などのリスクは?

子どもを連れて外出した際、見知らぬ人に突然、子どもを触られたことがある人もいると思います。触られたことによって、どのようなリスクがあり得るのでしょうか。

子どもが触られたとき、健康リスクは?
子どもが触られたとき、健康リスクは?

 幼い子どもを連れて外出しているとき、見知らぬ人が「かわいい」などと声を掛けて、子どもの手や足を触ってきた経験がある人は多いと思います。悪気はないのでしょうが、乳幼児は免疫力が弱いため、他人に触られることを不安に思う親も少なくありません。また、冬はインフルエンザなどの感染症が流行しやすい時季でもあります。

 子どもが他人に触られることで、どのようなリスクが考えられるのでしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。

免疫を得ている側面も

Q.乳幼児の肌に他人が触れた場合、衛生的にどのようなリスクが考えられるでしょうか。「潔癖になり過ぎ」という声もありますが、実際のところは。

市原さん「潔癖になり過ぎかどうかは、個人の考え方によるので何とも言えません。ただ、他人の体、特に小さな赤ちゃんに触れるときは保護者に確認することがマナーではないかと思います。乳幼児は免疫力が弱いので、さまざまな感染症にかかる可能性があります。ただ、感染症にかかることで免疫を得ているという側面があるのも事実です」

Q.他人ではなく、親が触ることでも衛生的なリスクは発生するのでしょうか。

市原さん「もちろん、親であっても感染症を持っているかもしれませんし、手にウイルスが付着しているかもしれません。『親だから絶対に大丈夫』というわけでもありません」

Q.体のどの部位に触ると危険なのでしょうか。また、触ったことで感染する可能性のある病気は。

市原さん「例えば、風邪やインフルエンザは飛沫(ひまつ)感染、接触感染するものなので、他人が鼻や口を触ることで赤ちゃんが感染する可能性はあります。ただ、乳幼児はさまざまな物に触れますし、指をくわえることもあるため、他人に鼻や口を触られていないからといって、感染症を予防できるとは限りません。

赤ちゃんが鼻や口を自分で触っても感染することがあります」

Q.大人だけでなく、他の子どもが赤ちゃんに触れた場合もリスクがあるのでしょうか。

市原さん「あります。子どもはさまざまな物を触りますし、手洗いの仕方が不十分なことが多いほか、手洗いの習慣自体がまだ身に付いていない可能性があるので、大人よりもリスクが高いと思います」

Q.昨夏、手足口病が例年以上に流行しましたが、感染症にかかっている子どもを大人が触った場合、どのようなリスクが考えられるでしょうか。

市原さん「もちろん、感染する可能性があります。特に、高齢者は免疫力が落ちているので、子どもが感染症にかかっていると分かっていれば触らないことです」

Q.子どもの免疫力が向上してくるのは何歳ごろからでしょうか。反対に、大人になって免疫力が落ちてくるのは何歳ごろからですか。

市原さん「子どもは3歳ごろから免疫力が整ってきます。大人の場合、糖尿病やがんなどの病気があると免疫力が落ちるので、はっきりと何歳ごろからとは言いにくいですが、健康な人であれば加齢に伴って免疫力が低下し、一般的には70代以降に落ちてくると考えてください」

Q.逆に、赤ちゃんが他人に触られることのメリットはありますか。

市原さん「先述しましたが、多少の菌やウイルスに触れることで子どもは免疫力を付けていきます。神経質になり過ぎるもの一長一短です。また、他人に触られる、他人にかわいがってもらうことは、子どもの精神面にいい影響を与えると思います」

Q.もし、他人から子どもが触られた場合、どのような対策をすべきなのでしょうか。

市原さん「過度に消毒などをする必要はないと思いますが、明らかにその相手が風邪などの感染症にかかっていることが分かれば、触られた箇所を除菌ティッシュで拭き取ったり、手を入念に洗ったりといった対策をしてあげてください」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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