米国を待ち受ける「政府機関閉鎖」という危機
“もう一つの危機”が生まれる可能性
もっとも、別種の危機がすぐにもやって来るかもしれません。2017年度(2016年10月1日に始まる1年間)の予算が4月28日に失効するからです。昨年、政府と議会は年度末(今年9月末)までをカバーする本予算で合意できずに、7カ月間だけの継続予算だけを成立させました。
そのため、このまま継続予算が失効すれば、4月29日に緊急性の乏しい政府機関は閉鎖されます。安全保障、警察、消防、航空管制などの緊急性の高いサービスは続けられます。年金給付や利払いなどは、年度ごとの予算措置が必要ない義務的支出と呼ばれるもので、それらの支払いも滞ることはありません。
現在、政権と議会の過半数とを共和党が握っており、「統一された政府」と呼ばれます(オバマ大統領時代は、民主党政権と共和党議会という「分断された政府」)。そのため、共和党主導での予算成立は難しくないとの見方もあるでしょう。
ただし、トランプ政権は国防費を大幅に増やしてその分だけ非国防費を減らしたり、メキシコ国境の「壁」の費用捻出をもくろんだりしているため、共和党議員でも、無条件で賛成するとは限りません。とりわけ、「ティーパーティー」など共和党内の財政保守派は、財政赤字拡大に強く反対するでしょう。
また、上院には法案の審議時間に制限がないため、演説を続けることで採決を妨害する「フィリバスター」と呼ばれる戦術があります。採決に踏み切るためには、全100議席のうち60議席の賛成が必要ですが、共和党の議席は52に過ぎません。予算関連法案はスムーズな成立が望まれるため、フィリバスターを使えないルールですが、年度残りをカバーする継続予算はどうやら「予算関連法案」の範ちゅうに入らないようです。

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