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急性アルコール中毒、ホーム転落…「忘年会」参加による事故、労災になる?

労災の具体的な内容は?

Q.もし、労災として認められる場合、けがをした際にどのような対応をすべきでしょうか。

木村さん「仕事中、もしくは通勤中にけがをした場合、基本的には最寄りの労災保険指定医療機関で治療を受けます。指定医療機関の所在地はインターネットで調べることができます。労災保険指定医療機関で、仕事中、もしくは通勤中のけがであることを申告して診療を受けた場合は原則、医療費の自己負担分の支払いはありません。

ただし、近くに指定医療機関がない場合は指定外の病院で治療を受けることになります。その場合は一度、窓口で医療費を立て替えて支払い、後日、療養(補償)給付を国(労働基準監督署)に請求し、支払った医療費の還付を受けます。

注意点ですが本来、仕事中や通勤中のけがは健康保険の給付範囲外なので、健康保険証を使わないようにすることです。労災であることを申告せずに健康保険証を使って診療を受けると、健康保険負担分の医療費を全国健康保険協会協会(協会けんぽ)や各健康保険組合などの保険者に返還するなど、手続きが煩雑になることがあります」

Q.労災により、どの程度補償されるものなのでしょうか。

木村さん「けがや病気をした労働者が労災の認定を受けた場合、次のような形で補償を受けることができます。

(1)【療養(補償)給付】

けがや病気の治療費の全額を補償

(2)【休業(補償)給付】

働けない期間中の賃金の一部を補償

(3)【傷病(補償)給付もしくは障害(補償)給付】

労災によるけがや病気の治療をしたものの、障害が残ってしまった場合の収入を補償

(4)【介護(補償)給付】

労災認定を受けた労働者が介護を受けている場合の介護費用などを補償

(5)【葬祭料(葬祭給付)・遺族(補償)給付】

労災認定を受けた労働者が死亡した場合の葬儀費用の支給や遺族の補償

(1)は現物支給、もしくは現金給付、その他の補償は所定の計算により一時金、もしくは年金で受け取ります。なお、労災の認定や給付金額の決定は労働基準監督署で行います。また、労災制度とは違いますが、会社によっては福利厚生の一環として、独自に見舞金などを支給しているところもあります」

(オトナンサー編集部)

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木村政美(きむら・まさみ)

行政書士、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

1963年生まれ。専門学校卒業後、旅行会社、セミナー運営会社、生命保険会社営業職などを経て、2004年に「きむらオフィス」開業。近年は特にコンサルティング、講師、執筆活動に力を入れており、講師実績は延べ700件以上(2019年現在)。演題は労務管理全般、「士業のための講師術」など。きむらオフィス(http://kimura-office.p-kit.com/)。

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