米FRBはなぜ利上げを急ぐのか
米連邦準備制度理事会(FRB)が、利上げに向けて動き出しています。当初は6月と12月の「年2回」が市場予想でしたが、ここに来て、3月を含めた「年3回」を織り込みつつあります。FRBが利上げを急ぐ理由は何でしょうか。
米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)が、利上げに向けた「地ならし」を活発化させています。
1月31日~2月1日に開催された前回の連邦公開市場委員会(FOMC)では、金融政策の据え置きが決定されました。ただし、その3週間後に公表された議事録によると「労働市場や物価が予想通り、あるいは予想を上回って展開したり、最大雇用と物価安定という目的を行き過ぎるリスクが増大したりするならば、かなり早期に利上げを行うことが適切になるかもしれないとの見解を、多くの参加者が表明した」とのことでした。
そして、ニューヨーク連銀のダドリー総裁は2月末のテレビインタビューで、この「かなり早期に」とは「比較的近い将来だ」と解説した上で、「利上げすべき理由が説得力を増している」と語りました。ニューヨーク連銀が管轄区内にウォール街を抱えていることもあって、同総裁はFOMC議長を務める主要メンバーです。また、利上げに慎重な「ハト派」としても知られています。
さらに、強い「ハト派」とみられていたブレイナードFRB理事さえも、「早期の利上げが適切になる可能性が高い」と3月1日の講演で述べています。
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