セクハラやパワハラに対応、「ハラスメント保険」をご存じですか?
「死んでしまえ」「まだ結婚しないのか」――。現代においては大ごとになりかねない、パワハラやセクハラですが、こうした「ハラスメント」をめぐる訴訟などに備えた保険商品があります。

「何でこんなこともできないんだ!!」「死んでしまえ!!」「彼氏できたのか」「まだ結婚しないのか」――。
パワハラやセクハラの代名詞とも言えるこれらのセリフ。ひと昔前なら当たり前に横行していたことが、現代では「ハラスメント」となり、時に大ごとになりかねません。
筆者は保険のコンサルタントとして、数多くの中小企業を訪問していますが、経営者層のほとんどは現状を理解しており、「パワハラやセクハラはダメ」という社員教育を実施しています。
しかし中間層、いわゆる「ベテラン」と言われる人たちは、まだまだ認識が甘いように感じます。こうした傾向はとりわけ、建設業や飲食業など昔ながらの「徒弟制度」が残る業界に顕著で、ミスをした若手をベテランが激しく叱責したり、頭を小突いたりするようなことが、今でも散見されます。
ハラスメントを原因とする訴訟
こうしたことは通常、現場レベルで起きているため、経営者は全く把握していないことが多いのですが、「知らなかった」で済まされる問題ではありません。実際、ハラスメントが原因で訴訟となり、法人が高額の賠償金を請求される例が後をたちません。
【ケース1】
賠償金:1億550万円
岐阜県の大手電子機器製造メーカーに勤務していた30代男性が、上司から度重なる罵倒を受け、2013年10月に自殺。遺族が提訴。
【ケース2】
賠償金:1億円
兵庫県の公立病院に勤務する男性医師(当時34歳)が長時間勤務を強いられた上、上司から日常的に「死ね」「辞めてしまえ」などと罵倒され2011年9月に自殺。両親が提訴。
また、厚生労働省の「個別労働紛争解決制度の施行状況(平成27年)」を見ても、相談件数は103万件を超えており、100万件突破は8年連続です。日本の企業は法人(会社)と個人事業主を合わせて約412万社ですから、単純計算で4社に1社は労働紛争を抱えていることになります。
相談内容の1位は4年連続で「いじめ、嫌がらせ」(6万6566件)ですが、この大部分はパワハラと定義できるはずです。ハラスメントで苦しんでいる人がこれほど多いのか、と驚かざるをえません。
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