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セクハラやパワハラに対応、「ハラスメント保険」をご存じですか?

ハラスメント保険は示談金も対象

 こうした世間の動向に対応するように、大手損害保険会社からは「ハラスメント保険」という商品が販売されています。これは、社内でパワハラやセクハラが原因の訴訟が発生した場合、訴訟費用や賠償金を肩代わりするものです。

 ただし、ハラスメントに関する問題が訴訟に発展するケースはまれで、示談で終ることがほとんどです。なぜなら、ハラスメントに関わる裁判は多くの場合、法人が負けるからです。経営者から相談を受けた弁護士や社労士もそのことを熟知しており、示談を薦める傾向にあります。さらに、過去の判例から賠償金の相場も決まっているため、会社側も、従業員側も「相場の示談金」で手を打つことが多いのです。

 ハラスメント保険は、こうした示談金も支払い対象となります(ただし示談金が判例を大きく逸脱していない場合に限る)。

 前述のような「自殺」という最悪の結末を迎えた場合は当然、経営者の責任が問われるべきですが、1億円という高額な賠償金は、下手をすれば会社が倒産してしまう金額です。「そんな会社は潰れるべきだ」と言うのは簡単ですが、ほかの従業員やその家族の生活もあるため、そうしたリスクを軽減できる、ハラスメント保険のニーズがあるのでしょう。実際に問い合わせも増えています。

 本来は、会社と従業員が会社の発展や個人の幸福のために手を取り合うべきですが、残念ながら、そうはなっていない現在の日本。保険でどうこうする前に社員の意識を変えて、個々を尊重する社風を作り上げることが肝要ですが、ニーズがあれば“商売”が成り立ってしまうのもまた事実。

 保険屋の切ないところですね。

(株式会社あおばコンサルティング代表取締役 加藤圭祐)

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加藤圭祐(かとう・けいすけ)

あおばコンサルティング代表取締役、1級FP技能士、宅建士

大手外資系生命保険会社にて11年間、個人・法人のコンサルティング業務に従事。2015年に株式会社あおばコンサルティングを設立。日本初の、チャットでのお金のサービス「みかづきナビ」を開始。現在ではzoomも活用し、FP相談や保険相談で顧客の課題解決に取り組んでいる。みかづきナビ(http://www.mikazuki-navi.jp/)。

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