二人の中銀総裁は残り任期で何を成し遂げられるか
黒田総裁は「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の手じまい?
他方、日銀の黒田総裁は就任直後から、2013年4月の量的・質的緩和(QQE)、14年10月のQQE拡大、16年1月のマイナス金利導入、同9月の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)と、2%の物価目標を速やかに達成するために次々と手を打ってきました。これは、資産購入などの新機軸を打ち出しつつも、量的緩和やマイナス金利に消極的だった前任の白川総裁から、ドラスティックに路線変更をするものでした。
実際の物価は目標に全く届いていません。2%どころか0%近辺でウロチョロしており、デフレ(物価の下落)から脱却したとの確信すら持てない状況です。日銀の「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」でも、物価目標の達成時期の見通しが「逃げ水」のごとく後ろズレしており、直近では「2018年度ごろ」まで後退しています。つまり、日銀は黒田総裁在任中の目標達成を諦めてしまったようです。
それでも、年間80兆円という現在の国債購入のペースや、長短金利操作のなかで打ち出した「長期金利を0%近辺で維持」との政策は(「80兆円」は目標からメドに格下げされているが)、続けることが徐々に困難になってくるはずです。
そのため、黒田総裁は、これまで打ち出したさまざまな非伝統的政策の手じまいに向けて徐々にかじを切ろうとするかもしれません。それとも、それらの後始末も含めて後進に丸投げすることになるのでしょうか。
2月14~15日のイエレン議長の議会証言に注目
今後、日米の中央銀行総裁の発言は一段と興味深いものになっていくかもしれません。まずは、2月14・15日の両日に予定されている米議会の公聴会で、イエレン議長が何を語るかに注目したいです。
(株式会社マネースクウェア・ジャパンチーフエコノミスト 西田明弘)

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