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育児放棄、不倫…“奔放妻”に悩まされた36歳男性が妻に親権を諦めさせた方法

子どもを連れて行くと言い出した妻

 離婚が不可避なら、健也さんは子どもを守るために親権を手に入れる必要があります。今回の場合、まず最初に「離婚しても子どもの環境を変えないこと」をお互いに共有しておくことが大事です。なぜなら、離婚に伴って子どもの住居や学校、地域が変わってしまうと、悪影響を及ぼすのは必至だからです。そこで、健也さんは「離婚するにしても、きららとはるとのことを第一に考えてほしい」と投げかけたのです。

 次に、健也さん夫婦は横浜に住んでいるのですが、このことを共有しておくと親権者は離婚後、横浜に住み続けなければなりません。健也さんの地元は横浜、勤務先も横浜で、健也さんの希望で夫婦は横浜に住居を定めたという経緯があります。一方、妻は宮崎出身で横浜に地縁はなく、勤務先も都内です。そのため、妻は離婚したら横浜を離れたいと思っているでしょう。「横浜に住まないこと」を理由に妻が親権を手放してくれれば、手っ取り早いのです。

 両親の都合で、子どもの生活や住居、教育環境をころころと変更すれば、情緒の安定や人格の形成、そして、学力の向上に悪影響を与えるのは間違いありません。万が一、妻が子どもを引き取れば、子どもの生活や住居、教育環境がまるっきり変わってしまうので、子どものためになりません。住み慣れた家、使い慣れた部屋、そして学校の先生や友達を奪うことは許されないでしょう。

 そこで、健也さんは「離婚してもこのまま横浜で暮らすと約束できるのか」と尋ねたのですが、妻は健也さんの言いなりになりたくない一心で、本当は横浜に住みたくないのに「何言っているのよ! きららとはるとは私が連れて出て行くわ!!」と言い出したのです。

 こうした場合、妻が親権を持ち、子どもを引き取れば、今まで自由だった時間や体力、そしてお金がどれくらい削られるのかを個別具体的に示すことが効果的です。具体的には、保育園の送迎、宿題や勉強のサポート、病院への送迎、学校行事への参加、学校からの呼び出し、病気の看病などです。

 これは、親権者として健也さんが優れている、妻が劣っているという優劣をはっきりさせることが目的ではありません。妻はプライドが高いので、自分が夫より劣っていることを認めないでしょうし、仮に認めたとしても素直に親権を放棄するとは思えません。

 妻にとって一番大事なのは、今の生活(時間、体力、お金)です。親権を持つことで今の生活水準が上がればよいですが、実際には大幅に下がります。「親権(子どもの存在)によって自分の生活が維持できなくなるなら親権を持たない方がいい」と思わせるやり方が効果的です。

「きららの宿題を任せっきりで確認していなかったのに、今さら信用できない。きららに宿題をやらせるのがどれだけ大変か分かっているのか。2年生の時は(夏休みの)土日に付きっきりだった。中学に上がれば科目も増えるのに。それに行事がいくつあるか分かっているのか。1人で全部出席するなら、授業参観や運動会、文化祭、個人面談、引き渡し訓練だけでも月1回は休まないといけないのに…今年だって文化祭しか来なかったじゃないか」

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

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